「水酸化アルミニウム」の版間の差分

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Akane700 (会話 | 投稿記録)
性質
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#上記で生成された溶液を[[ろ過]]する。
#溶液を冷却すると水酸化アルミニウムが析出する。
:<math>\rm [Al(OH)_4]^-aq \ \overrightarrow\longleftarrow \ Al(OH)_3(s) + OH^-aq</math>
 
== 性質 ==
水溶液から新たに生成したゲル状沈殿は酸および塩基水溶液に容易く溶解する。水酸化アルミニウム自体の[[溶解度積]]はかなり小さいが、酸性では[[水酸化物イオン]]OH<sup>&minus;</sup>の濃度が極めて小さく溶解方向に[[平衡]]が移動し、塩基性ではOH<sup>&minus;</sup>による配位結合が生成しテトラヒドロキソアルミン酸イオン[Al(OH)<sub>4</sub>]<sup>&minus;</sup>を生成するためである。
:<math>\rm Al(OH)_3(s) \ \overrightarrow\longleftarrow \ Al^{3+}aq + 3 OH^-aq</math>,   <math>K_\mbox{sp} = 5 \times 10^{-33}</math>
 
:<math>\rm Al(OH)_3(s) + H_2O(l) \ \overrightarrow\longleftarrow \ H^{+}aq + [Al(OH)_4]^-aq</math>,   <math>K_\mbox{sp} = 4 \times 10^{-13}</math>
 
しかしながら、沈殿後時間が経過したものおよび、結晶性の水酸化アルミニウムは特に塩基水溶液に対し溶解しにくくなる。水酸化アルミニウムAl(OH)<sub>3</sub>には&gamma;型とされた[[ギブス石|ギブサイト]](gibbsite、単斜)、および&alpha;型とされたバイヤーライト(bayerite、単斜)が存在し、25℃、10<sup>5</sup> Paの下ではギブサイトの方が熱力学的に安定である。
また熱水溶液中では一分子脱水し、AlO(OH)を生成し、これには[[ベーム石]](Boehmite)および[[ダイアスポア]](diaspore)が存在する。何れもボーキサイトの主要な成分である。
 
これらの水酸化物は何れも加熱により水を容易く失い、[[酸化アルミニウム]]となる。
: <math>\rm 2 Al(OH)_3 \ \overset{{\Delta}}{\longrightarrow} \ Al_2O_3 + 3 H_2O</math>
: <math>\rm 2 AlO(OH) \ \overset{{\Delta}}{\longrightarrow} \ Al_2O_3 + H_2O</math>
 
== 関連項目 ==