「秦逸三」の版間の差分

'''秦 逸三'''（はた いつぞう、[[1880年]][[12月14日]] - [[1944年]][[5月25日]]）は、日本で初めて人口造絹糸（[[レーヨン]]）製造に成功した[[科学者]]。・[[実業家]]。帝国人造絹糸（[[テイジン]]の前身）共同設立者。[[広島県]][[安芸郡 (広島県)|安芸郡]][[海田町]]出身。

広島一中（現[[広島県立広島国泰寺高等学校|広島県立国泰寺高校]]）、[[第一高等学校 (旧制)|第一高等学校]]を経て、[[東京大学|東京帝国大学]][[医科大学]][[薬学部]]に入学したが、同大学[[工科大学]][[応用科学]]科に転入学。[[1908年]]卒業後、[[樟脳専売局]]入社に就職。のち[[神戸税関]]を経て[[米沢市]]・にある旧制米沢高等工業（現[[山形大学]][[工学部]]）[[教授]]となり、研究室で[[ビスコース]]人口造絹糸（レーヨン）製造に専念。研究費の不足から[[鈴木商店]]・[[金子直吉]]の援助を請け[[1915年]]、大学の同窓・[[久村清太]]の協力で製造所を立ち上げた。[[1916年]]先進地の欧米を視察するが、製造秘匿のため成果が得られず、欧米から30年遅れた人絹製造技術を独力で研究開発する事となった。[[1918年]]、帝国人造絹糸株式会社（のちの帝人）が設立されると取締役となり工業化に成功、日本の人絹工学のパイオニアとなった。また、これは大学発の[[ベンチャー企業]]の先駆けとも言われる。