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==IV型線毛==
IV型線毛は病原性の淋病菌や緑膿菌、大腸菌だけでなく、粘性細菌(Myxococcus)、シアノバクテリアなどにもあり、グラム陰性細菌に広く分布する。役割としては,付着や宿主への感染にはたらくもの、twitching運動やDNAの取込みにはたらくものがある。構造としては、細胞膜から生じ、外膜を貫通して、細胞外へ伸びた毛であり、長さ約2-10 µm、径約7 nmで、内部は中空にはなっていない。線毛全体はフレキシブルで、先端は付着性である。II型分泌装置によって形成され、PilTと呼ぶATPアーゼによって線毛は細胞膜内に引き込まれる。
 
淋病菌Neisseriaや緑膿菌Pseudomonas aeruginosaでは、IV型線毛は宿主への感染、twitching運動などにはたらいている。粘性細菌Myxococcus xanthusでは,滑走運動を起こしている。twitching運動するシアノバクテリアSynechocystisにも同様の線毛があり、その運動やDNAの取込みに必須である。線毛の先端は周囲の物体に付着し、線毛の根元が細胞内に引き込まれることで、細胞が周囲の物体に引き寄せられるという。このため、線毛による運動は物体表面でのみ起きる。この点では、鞭毛による遊泳運動とは本質的に異なる運動である。DNAなどを細胞内に取り込むときも、この線毛の引き込み運動が利用されるという。
 
古細菌の鞭毛は真正細菌のIV型線毛とよく似た遺伝子によってつくられる。