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[[画像:Sodium Vapor Lamp.JPG|thumb|300px|right|トンネルに設置されたナトリウムランプ]]
'''ナトリウムランプ'''([[英語|英]]: sodium vapor lamp)は、[[ナトリウム]][[蒸気]]中の[[アーク放電]]による発光を利用した[[ランプ (光源)|ランプ]]のことで、'''ナトリウム灯'''(
1932年、[[オランダ]]のGiles Holstによって発明された(同じ年に高圧水銀灯もイギリスで発明されている)
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初期においては発光成分がナトリウム原子の輝線スペクトル(D線、D1: 589.6[[ナノメートル|nm]]とD2: 589.0nm)のみで極端な単色光だったが、技術的な進展により現在では白熱電球に遜色ない光も得られる様になっている。
== 種類 ==
封入蒸気圧により、低圧、高圧、高演色高圧の3種類に分類されるほか、形状や特徴の異なるさまざまな製品が販売されている。
=== 低圧ナトリウムランプ ===
最初に開発されたタイプであり、日本での略称は'''NX'''(三菱電機はSOX)。ナトリウム蒸気圧は0.5[[パスカル|Pa]]と真空に近く、始動補助用に少量のペニングガス([[ネオン]]+[[アルゴン]])が封入されている。
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* 単色光とは関係ないが、発光管が断熱されているため、寒冷地での使用に耐える
低圧ナトリウムランプ用の安定器は、特別なピーク進相回路を用いている。また、安定器の
[[日本]]では特に[[国道]]、[[神奈川県]]、[[埼玉県]]、[[長野県]]などの道路に多かったが、最近では高圧ナトリウムランプが使われるようになり、トンネル以外で低圧ナトリウムランプを見かけることは少なくなっている。
=== 高圧ナトリウムランプ ===
演色性改善を図るため封入蒸気圧を大幅に引き上げたもので、略称は'''NH'''。ナトリウムの蒸気圧は消灯時13kPa(約0.1気圧)程度である。始動補助ガスとして[[キセノン]]やぺニングガス(ネオン+アルゴン)が使われる。専用安定器で点灯するものと水銀灯安定器(一般形・低始動電流形)で点灯できるものがある。
[[水銀灯|水銀ランプ]]や[[メタルハライドランプ]]と並び、[[HIDランプ|HID(高輝度放電)ランプ]]の一種で、1960年にアメリカGE社で開発された。高温高圧のナトリウム蒸気に耐えるため、発光管には石英に替えて特殊なアルミナセラミックが使用されている。
ナトリウムの蒸気圧すなわち濃度を上げる事により、輝線スペクトルが一旦吸収されるなどしてエネルギーが変化し、発光スペクトルの波長域が広がり、[[橙色]]がかった黄白色(低圧ナトリウムランプよりオレンジ色がかって見える)の光を放つようになる。演色性は低圧ナトリウムランプより良好で効率重視形の場合、色温度
演色改善形は、発光管内のナトリウム蒸気圧を高めてRa:60としたもので、効率重視形に比べて演色性が良くなっている。ランプ内部に始動ユニットやスタータを内蔵し、水銀灯安定器で点灯できるランプが多い
=== 高演色高圧ナトリウムランプ ===▼
▲①電源投入と同時にランプに200Vが印加される。その時に、発光管と並列に挿入された始動ユニットのフィラメントが点灯する。
▲②点灯したフィラメントの熱で始動ユニットのバイメタルが作動し、回路を開路する。
▲③その瞬間に、安定器から3~4KV程度のパルスが発生する。発生したパルスと始動補助導体の助けでランプを始動する。
▲④始動後はランプは安定点灯となり、始動ユニットは発光管の熱によってバイメタルを動作し、開路状態を維持する(パルスは停止する)。
▲===高演色高圧ナトリウムランプ===
さらに蒸気圧を高く(約5倍)し、演色性を大幅に改善したもので、演色指数はRa:85になり、[[白熱電球]]に似た色の光を放つ。店舗の照明等に利用される。1981年実用化された。
ナトリウムのD線は大部分が吸収されるため、波長分布ではむしろ590nm付近の光が最も弱くなっている。発光効率はさらに低下するが、それでも白熱電灯の3 - 4倍はあるとされ、省エネルギー用途で使用されている。各メーカーの専用安定器で点灯する。
== 関連項目 ==
*[[HIDランプ]]
*[[ランプ効率]]
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