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落雷 は統合するか、内容の調整をした方がいいような気がする
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'''雷'''(かみなり)とは空と地、または空と空の間に起きる大規模な[[放電]]現象であり、閃光と轟音を伴う。[[自然現象]]の一種であり主に[[天気]]が[[雨]]、[[雪]]、[[霰]]、[[雹]]の場合に発生しやすい。'''稲妻'''(電、いなずま/いなづま)と呼ぶこともあり、古語や方言などでは'''いかずち'''、'''ごろつき'''、'''かんなり'''、'''らいさま'''などの呼び名もある。
 
== 表現 ==
[[Image:Lightning Tokyo Aug 2008.JPG|thumb|220px|right|雷鳴を伴わない雲と雲間の稲光(2008年8月28日22:48[[東京]]上空)]]
雷の光を「雷光(らいこう)」と呼ぶ。「雷」「かみなり」は[[季語]]としては[[夏]]を表す。
 
雷の事を'''稲妻'''(いなずま:古来の表記は「いなづま」)とも呼び、稲妻の光を'''稲光'''(いなびかり)と呼ぶ。稲妻は[[秋]]の季語である。稲妻・稲光の語源については日本では[[イネ|稲]]が開花し結実する[[旧暦]]([[太陰暦]])の夏から秋のはじめにかけて雨に伴い雷がよく発生するため、また落雷した田では稲が良く育った<ref>落雷によって大気中の[[窒素]]が田畑に固着されるから。現在では十分に窒素肥料が蒔かれている為、落雷した田とそうでない田の間で稲の生長に差異はほとんど見られない。また、現在では自動車等の内燃機関から排出される窒素酸化物の量が増えた事も相対的に落雷による収量の差異が見られなくなる一因として上げられる。</ref>ため稲穂は雷に感光することで実るという理解が生まれ、雷を稲と関連付けて稲の「つま(=配偶者)<ref>日本の古語では「[[妻|つま]]」は男女を問わず配偶者の意味</ref>」と解し「いなづま」あるいは「いなびかり」と呼ぶようになったといわれている。
 
== 雷と神話 ==
[[Image:Raijin-ogata-emuseum.JPG|thumb|220px|雷神]]
 
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* 雷公(中国)
 
ギリシャのゼウス、ローマのユピテル(ジュピター)は天空の雷神であり最高神である。[[マライ半島]]の[[熱帯雨林|ジャングル]]に住む[[セマング族]]でも雷は創造を司る最高神であり、[[インドシナ]]から南中国にかけては敵を滅ぼすため石斧をもって天下る神として落雷を崇める。欧米では[[カシ]]が特に落雷を受けやすい樹木とされたのでゼウス、ユピタス、北欧神話のトールの宿る木として崇拝した。欧州の[[農民]]は住居の近くにカシを植えて[[避雷針]]がわりとし、また[[犬]]、[[ウマ|馬]]、[[はさみ]]、[[鏡]]なども雷を呼びやすいと信じたので[[雷雨]]が近づくとこれらを隠す傾向があった。雷雨の際に動物が往々紛れ出ることから[[雷鳥]]や雷獣の観念が生まれた。[[アメリカ合衆国|アメリカ]]・[[インディアン]]の間では巨大な[[鳥]]を雷獣と考え、その羽ばたきで雷鳴や稲妻が起こると伝えられた。
 
[[日本神話]]においても雷は最高神という扱いこそ受けなかったが、雷鳴を「かみなり(神鳴り)」ということからもわかるように雷を神々のなせるわざと見なしていた。[[天津神]]の1人で[[天孫降臨]]の前に[[葦原中国]]を平定した[[タケミカヅチ]](建御雷、武甕槌)はそういった雷神の代表である。雷(雷電)を祭った神社に「[[雷電神社]]([[板倉雷電神社]]など)」「高いかづち神社」などがあり、火雷大神(ほのいかづちのおおかみ)・大雷大神(おおいかづちのおおかみ)・別雷大神(わけいかづちのおおかみ)などを祭神としている。
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[[雷神]]は[[平安時代]]になると、[[天神]]の眷属神として低い地位を占めるようになった。
 
また雷が起きると、落雷よけに「くわばら、くわばら」と[[呪文]]を唱える風習がある。これは、[[菅原道真]]の土地の地名であった「桑原」にだけ雷(かみなり)が落ちなかったという話に由来する。平安時代に藤原一族によって流刑された道真が恨みをはらすため雷神となり宮中に何度も雷を落とし、これによって藤原一族は大打撃を受けた。このとき唯一、桑原だけが落雷がなかったので後に人々は雷よけに「桑原、桑原」ととなえるようになったといわれる<ref>『広辞苑』によれば「『死して雷となったと伝えられる[[菅原道真]]の領地桑原(現、京都、桑原町)には、古来落雷した例がないという話』に因むともの」、また「『雷神が誤って[[大阪府]][[和泉市]]「西福寺」の井戸に落ちた時に農夫が蓋をしたところ、雷神が、自分は桑樹を嫌うから、くわばらくわばらと唱えれば再び落ちたりしない』と答えたとの伝説に基づくという説もある」という。なお西福寺で配られている説明によれば、「[[俊乗坊重源]]と言う僧が一心に雨乞いをしていた際、近隣の住民が身の回りの世話をしていた。ひとりの女性が袖をまくり上げて井戸端で洗濯をしていると、空が曇って雷が鳴り始めた。すると、女の白い二の腕に目が眩んだ雷神が井戸の中に落ちたので女が井戸に蓋をした。出す出さないの問答の末、雷神は、出してくれたらもう2度とこの地に落ちないと約束をして助けてもらった」と書かれている。</ref><ref>「くわばら、くわばら」と唱えるのは、[[桑]]の木が神聖な力を持つという信仰があったためであるとも考えられている{{要出典}}。</ref><ref>「くわばら、くわばら」と唱えるのは[[菅原道真]]([[天神]]・[[天満宮]]参照)の屋敷が[[京都]]の[[桑原]]にあり、そこはどんなに落雷があっても一度も雷の被害を受けなかったためとも伝えられている。これは後世の作り話である{{要出典}}。<!-- (論旨不明瞭。北野と桑原の関係は?)道真の[[霊]]が[[雷神]]と結び付けられたのも、それが[[北野天満宮|北野天神]]に祭られたことに始まる。 --></ref>。
 
雷神は古くから美術に表現されてきたが絵では京都[[建仁寺]]の[[俵屋宗達]]筆の[[障壁画]]、[[元禄時代]]の[[尾形光琳]]の作など、[[彫刻]]では[[日光東照宮]]、[[京都三十三間堂]]などのものが有名である。
 
== 発生の原理 ==
上空と[[地面]]の間、または上空の雷雲内に[[電位差]]が生じた場合の[[放電]]により起きるとされる。雷を発生させる[[雲]]を[[積乱雲|雷雲]]と呼ぶ。雲内での放電を雲間放電(cloud to cloud lightning:CC; inter cloud lightning:IC; cloud flash:CF)、雷雲から地面への放電を対地雷(cloud to ground lightning:CG)と呼ぶ。対地雷には上向きと下向き、[[正極]]性(+CG)と[[負極]]性(-CG)の分類があるから対地雷は結局4種類ある。
 
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雷の発生原理は、主に以下のような説で説明されている。
 
=== 雷雲の発生 ===
[[Image:Wall cloud with lightning - NOAA.jpg|thumb|right|200px|雷雲]]
地表で大気が暖められることなどにより発生した[[上昇気流]]は[[湿度]]が高いほど低層から[[飽和水蒸気量]]を超えて水滴(雲粒)が発生して雲となり、気流の規模が大きいほど高空にかけて発達する。
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この水滴は高空に達すると氷結してあられ、氷の結晶となり上昇気流にあおられながら互いに激しくぶつかり合って摩擦されたり砕けたりすることで[[静電気]]が生じる。この時、雲の上層には正の電荷が蓄積され下層には負の電荷が蓄積される。
 
急激な上昇気流により低層から高空まで形成される雷雲は主に[[積乱雲]]などで構成され、'''[[熱雷]]'''(俗に夏雷)と呼ばれる。同じ積乱雲でも寒冷前線上などに発生する場合、また温暖前線などで同様の原理が発生した場合の雷は'''界雷'''と呼ばれる。上昇気流が[[台風]]などによる場合は、'''渦雷'''(うずらい)と呼ばれる。なお前線に向かって湿った空気が流れ込むことにより発生した雷など、熱雷と界雷の両方の特性を併せ持つものは'''熱界雷'''と呼ぶ。
 
=== 稲妻 ===
[[Image:Lightning animation.gif|thumb|right|200px|雷のアニメーション]]
上層と下層の電位差が拡大して空気の絶縁の限界値を超えると電子が放出され、放出された電子は空気中にある気体原子と衝突してこれを電離させる。電離によって生じた陽イオンは、電子とは逆に向かって突進し新たな電子を叩き出す。この2次電子が更なる[[電子雪崩]]を引き起こし、持続的な放電現象となって下層へ向って稲妻が飛んでいく。
 
また下層の負電荷が蓄積されると、今度は地上では正の電荷が静電誘導により誘起される。この両者の間でも、電位差がある一定を越えると放電が起きる。
 
これらの放電は、大気中を走る強い光の束として観測される。これは日本では稲妻と呼ばれ、地上との間の放電を特に落雷と呼ぶ。1回の放電量は数万~数十万アンペア、電圧は1~10億ボルト、電力換算で平均約900ギガワット(=100ワット電球90億個分相当)に及ぶが時間にすると1/1000秒程度でしかない。時間単位の電力に換算するとおよそ324万TWTW/hであり、家庭用省電力エアコンを24時間付けたままにした場合、約72年間使用できる。
 
この間を細かく分けると、落雷(負極性の雷)においては雷雲から最初に伸びる光の弱い先駆放電(ステップリーダー)、大地側から迎えるように伸びるストリーマー(線条・先行放電)、両者が結合して大量の電荷が本格的に先駆放電路に流入する主雷撃の3段階に大別され、電位差が中和されるまで放電が続く。
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主な夏雷は[[電子]]は雲から地表に、[[電流]]は地表から雲に流れる(電流を参照)。冬雷の場合はその性質上これとは逆に電子は地表から雲に、電流は雲から地表に流れる。
 
=== 雷鳴 ===
{{Sound|Thunder.ogg|雷鳴}}
放電現象が発生したときに生じる音である。雷が地面に落下したときの衝撃音ではなく、放電の際に放たれる熱量によって雷周辺の空気が急速に膨張し、[[音速]]を超えた時の[[衝撃波]]である。
 
正確には雷が地面に落下したときの衝撃音ではなく、放電の際に放たれる熱量によって雷周辺の空気が急速に膨張し、音速を超えた時の衝撃波である。
雷光は[[光速]]で伝わるため、ほぼ瞬間に到達する。これに対して、雷鳴は音速で伝わるため、音が伝わってくる時間の分だけ、雷光より遅れて到達する。そのため、雷の発生した場所が遠いほど、雷光から雷鳴までの時間が長くなり、その時間を計ればおおよその距離も分かる。
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== 雷の被害 ==
[[Image:Tree-after-lightning - NOAA.jpg|thumb|200px|right|落雷で折れ、幹が裂けた木]]
雷の被害は直撃雷、側撃雷、誘導雷、侵入雷等に大別される。
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* 感電などによる人的な被害。雷雲発生時に野外でのスポーツ(ゴルフなど)や作業中に雷撃を受け、命を落とすことが多い(直撃雷、側撃雷)。
* 変電施設などへの落雷による停電(直撃雷、側撃雷、誘導雷)。
* 送電線への誘導雷に伴う、異常電流の発生('''[[雷サージ]]''')による電気機器の損傷。
* 上空を飛行中の飛行機に落雷し、機体に穴が開いたことがある。
* 家などの建造物に落雷し、火災になったことがある。
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* 雷が直接地面に落ちた場合その地点に大きな穴を生ずることがあるが、これは雷による大電流により内部にある水分が爆発的に蒸発することによる([[水蒸気爆発]])。
 
=== 雷が落ちる場所・人的被害を受ける状況 ===
* 雷は大抵は高いものに落ちやすいが、条件によっては高さも無関係に落ちる。事実、海や[[サッカースタジアム]]のフィールドなどの広い場所に落ちている([[雷ストリーマ]]を参照)。
* 金属製品を身につけているかどうかは関係ない(以前は金属製品を持たないほうがよいとされてきたが、近年関係ないことが明らかになり逆に身に付けている方が金属が雷の通り道になり、助かる場合もある)。
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* 公園などにある屋根付きの壁のない簡単な休憩所に落ちた場合、柱に近い位置にいると屋根から伝っていた雷が飛び移って感電する。
 
== 雷対策 ==
雷は大気中に発生する現象としては必ずしも大きな大気の撹乱を伴わないため、詳細な予報は困難であり[[天気予報]]などにおいても予測の範囲内で注意を呼びかける(雷注意報)などにとどまっている。[[電力会社]]各社は、独自に雷雲や落雷の観測システムを持っている。
 
=== 近くに建物や自動車がある場合 ===
雷対策として最も確実なのは、雷注意報が出ているときは野外に出ないことである。出ざるを得ない場合、または出てしまった場合は遠くで雷雲が見えたら室内(あるいは停止し窓を締め切った自動車内など)に逃げ込む。雷雲は速く発達するからである。雷鳴が聞えてからでは遅い。
 
=== 野外の場合 ===
45度以上に見上げる高さの木がある位置は、木が避雷針の役割を果たしてくれるので安全とされる。ただし幹や枝などの2m以内にまで近づくと木に落ちた雷に側撃雷が発生する可能性があり危険なので、適度に離れている必要はある。
 
雷が近い場合、走って逃げたからといって落雷を避けられるとは限らない。雷雲が発生させる電位差は広範囲にわたるからである。運良く直撃を避けられて落雷地点が多少離れていても、地面に落ちた雷はある程度の距離ならば地表を伝わってきて人は強い衝撃波を受ける。この時、足を開いていると「片、一方のから胴体>反対を通って他方の脚体内を電流が流れ感電する可能性が高くなるので脚は閉じているほうが良いとされている。さらに、身をできる限り小さくして座ると効果はあるとされている。
 
=== 避雷針 ===
落雷の原理として、地上と上空との電位差から生じることが分かっている。このことを活かして適切な位置に'''[[避雷針]]'''を設置して空中放電し、あらかじめ地上と上空との電位差を軽減するという処置がとられる。[[建築基準法]]33条では、「高さ20メートルをこえる建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によつて安全上支障がない場合においては、この限りでない。」としている<ref>[[避雷針]]に関しては、建築基準法施行令129条の中にも同様の項目がある</ref>。なお避雷針には保護範囲というものがあり、その範囲の外にあるものまでは保護することはできない。一般的な目安としては、避雷針の先端を(水平から)45度の以上の角度で仰げる範囲(の円錐形の空間)に入れば安全だとされていた。しかしながら最近の研究の物理的見地から見た通常の避雷針の保護角は回転球体法により求められるラッパのような形状の保護角でしかなく、この形状よりはみ出る45度以上の円錐状部分では雷の保護はできない。しかしながら[[国会議事堂]]やその他文化財のように長い形状の建物、高い形状の建物の場合、棟上げ導体などを使用し広い保護範囲を得る事が行われている。また雷ストリーマを発生させ、45度の角度よりもはるかに高い保護角を持つようにした避雷針なども開発されている。
 
したがって通常の避雷針をビル等に設置した場合、設置位置などによっては避雷針ではなく建物の角に落雷することもある。<!--例えば都内に雷雲が発生した場合、都心で最も高い[[東京タワー]]に落雷することも多いが周辺の建物よりも低い国会議事堂に落雷することもある。-->
 
=== 雷サージ対策 ===
家庭などにおいて'''[[雷サージ]]'''による家電製品やPC等の故障を防ぐためには、雷の時は電源ケーブルや電話線をコンセントから抜いておく事が望ましい。<!-- 雷雲発生時には電気機器をコンセントから抜くように注意を呼びかけられているが、周知されておらず余り実施されていない。-->また同被害を軽減するために、'''[[サージプロテクタ]]'''というコンセント型の器具も販売されている(同器具の詳細については、[[サージ防護機器]]の項参照)。
 
=== 雷ストリーマによる誘雷 ===
雷ストリーマによる誘雷に適した形状(小形放電電極と下部集電電極)をした避雷針などに、予め別途回路により雷ストリーマを発生させておき雷を誘導する方法である。
 
=== レーザー誘雷 ===
雷雲に向けて強力な[[パルスレーザー]]を当てて稲妻の通り道となる[[プラズマ]]を発生させ、稲妻を安全な場所へ誘導することが可能である事が実験で実証されている。[[送電線]]鉄塔への落雷が原因の[[停電]]を防止する手段として期待されている<ref>[http://www.ilt.or.jp/jisseki/1ken.html レーザー誘雷成功の軌跡]</ref>。
 
=== ロケットによる誘雷、消雷 ===
ロケットに電線を繋げて打ち上げ、雲の上下に生じた電位差を電線を通じて放電する事により落雷を防ぐ。電線は放電によって蒸発する<ref>[http://www.ishikawa-nct.ac.jp/topic/lightning.html ロケットによる誘雷実験]</ref><ref>[http://www.dbjet.jp/pub/cgi-bin/detail_pro.php?id=778&top=html ロケット誘雷による電力施設の雷害防止技術の開発]</ref>。
 
=== 落雷実験 ===
[[日本工業大学]]の超高圧放電研究センターでは300万ボルトインパルス電圧発生装置による人工的な落雷実験が行われている<ref>[http://www.nit.ac.jp/center/voltage.html 超高圧放電研究センター]</ref>。
 
== 各地の雷 ==
[[Image:Global Lightning Frequency.jpg|thumb|right|200px|世界の雷の発生頻度]]
===北関東の雷===
[[北関東]]地方([[群馬県]]や[[栃木県]])では特に夏の雷が多く「雷の銀座通り」等ともよばれる。[[上野国|上州]](群馬県)の名物といえば[[かかあ天下]]に[[からっ風|空っ風]]、それに雷である。また、やはり雷の多い[[宇都宮市]]では地域の愛称としての「'''雷都'''」(らいと)が土産物の菓子の名前などで使われている。
 
=== 陸地方関東の雷 ===
[[北関東]]地方([[群馬県]]や[[栃木県]])では特に夏の雷が多く「雷の銀座通り」等ともよばれる。[[上野国|上州]](群馬県)の名物といえば[[かかあ天下]]に[[からっ風|空っ風]]、それに雷である。また、やはり雷の多い[[宇都宮市]]では地域の愛称としての「'''雷都'''」(らいと)が土産物の菓子の名前などで使われている。
[[北陸地方]]や[[新潟県]]などの[[日本海]]沿岸では、[[冬季]]に目立って多く発生することから[[冬季雷]]とも呼ばれる。[[落雷]]数こそ少ないものの発生のメカニズムから[[夏季]]の雷より数百倍のエネルギーを持つものが確認されるほか、一日中[[発雷]]することが多く[[雪]]や[[あられ]]を伴うことが多い。また、はっきりとした[[落雷]]が無くても瞬間的な停電などの被害が出ることもある。[[海岸線]]から35km以上の内陸部では少ない。
 
=== 関東陸地方の雷 ===
また[[冬季]]の雷には[[愛称]]があることが多く、'''雪起こし'''、'''[[ブリ|ぶり]]起こし'''、'''雪雷'''などのような[[方言]]がみられる。
[[北陸地方]]や[[新潟県]]などの[[日本海]]沿岸では、[[冬季]]に目立って多く発生することから[[冬季雷]]とも呼ばれる。[[落雷]]数こそ少ないものの発生のメカニズムから[[夏季]]の雷より数百倍のエネルギーを持つものが確認されるほか、一日中[[発雷]]することが多く[[雪]]や[[あられ]]を伴うことが多い。また、はっきりとした[[落雷]]が無くても瞬間的な停電などの被害が出ることもある。[[海岸線]]から35km以上の内陸部では少ない。
 
また[[冬季]]の雷には[[愛称]]があることが多く、'''雪起こし'''、'''[[ブリ|ぶり]]起こし'''、'''雪雷'''などのような[[方言]]がみられる。
==幕電==
夜間、遠雷による稲光が雲に反射し明るく光る現象。時には雷雲から100km以上離れた場所で確認される。
強い閃光に対し、雷鳴が聞こえない(聞こえても小さい)ため、[[宏観異常現象]]とされることがある。
また、雲間放電により雲が光ることも幕電と呼ばれる。
 
== 幕電 ==
夜間、遠雷による稲光が雲に反射し明るく光る現象。時には雷雲から100km以上離れた場所で確認される。強い閃光に対し、雷鳴が聞こえない(聞こえても小さい)ため、[[宏観異常現象]]とされることがある。また、雲間放電により雲が光ることも幕電と呼ばれる。
 
== 雷と天気図 ==
[[Image:Japanese Weather symbol (Thunderstorm).svg|70px|thumb|雷の[[天気記号]](日本式)]]
[[日本]]式[[天気図]]においては、「過去10分以内に[[雷電]]または[[雷鳴]]があった状態」を雷としている。また、特に[[地上]]への[[落雷]]を伴う場合は「[[雷強し]]」とすることもある。
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== 雷に関連する故事成語 ==
* 付和雷同
* 青天の霹靂
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* 天沢火雷風水山地
 
また[[俳句]]においては「雷」「遠雷」「軽雷」は夏の[[季語]]、「寒雷」は冬の季語、「春雷」は春の季語である。
 
== 雷に関連する作品・命名等 ==
=== 小説 ===
* 「雷桜」([[宇江佐真理]])
* 「雷獣伝説〈1〉闇の咆哮」/「雷獣伝説〈雪雷篇〉」([[斉藤英一朗]])
* 「雷神、翔ぶ」([[丸山健二]])
* 「雷神の剣 ― 介錯人・野晒唐十郎」([[鳥羽亮]])
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* 「遠雷」([[立松和平]])
 
=== 音楽 ===
* [[四季 (ヴィヴァルディ)|四季]]([[アントニオ・ヴィヴァルディ|ヴィヴァルディ]])
* [[交響曲第6番 (ベートーヴェン)|交響曲第6番「田園」]]([[ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン|ベートーヴェン]])
* [[幻想交響曲]]([[エクトル・ベルリオーズ|ベルリオーズ]]) 
* [[雷鳴と稲妻]](あるいは「雷鳴と電光」。[[ヨハン・シュトラウス2世]])
* [[アルプス交響曲]]([[リヒャルト・シュトラウス]])
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* [[FUSE OF LOVE#収録曲|駆け抜ける稲妻]]([[倉木麻衣]]、アルバム『[[FUSE OF LOVE]]』に収録)
* [[OLIVE (アルバム)#Side B|稲妻の少女]]([[松任谷由実]]、アルバム『[[OLIVE (アルバム)|OLIVE]]』に収録)
* 雷が鳴る前に([[槇原敬之]]、アルバム『君は僕の宝物』に収録)※[[矢野顕子]]が[[カバー|カヴァー]]している。
* [[Octave (米米CLUB)#収録曲|春雷 coup de foudre]]([[米米CLUB]]、アルバム『[[Octave (米米CLUB)|Octave]]』に収録)
* [[愁雷]]([[野口五郎]]、シングル)
171 ⟶ 172行目:
* [[青いイナズマ]]([[林田健司]]、後に[[SMAP]]がカバー。いずれもシングル)
 
=== 自動車・オートバイの車種名 ===
* [[トヨタ・カローラレビン]] - 「レビン」(Levin)は、[[英語]]で「稲妻」を意味する語
* [[トヨタ・スプリンタートレノ]] - 「トレノ」(Trueno)は、[[スペイン語]]で「雷鳴」を意味する語
179 ⟶ 180行目:
* [[アプリリア・RSV1000R#Tuono|aprilia・TUONO-1000]] - 「トゥオーノ」(Tuono)は、[[イタリア語]]で「雷鳴」を意味する語
 
=== 鉄道車両 ===
* [[JR貨物EH200形電気機関車]]の愛称、「ECO-POWER ブルーサンダー」
* [[JR貨物EF510形電気機関車]]の愛称、「ECO-POWER レッドサンダー」
* [[JR西日本681系電車|JR西日本681系]]・[[JR西日本683系電車|683系電車]]。『[[雷鳥 (列車)|サンダーバード]]』という愛称の列車がある。
 
=== 航空機 ===
* [[雷電_(航空機)|雷電]]([[旧日本海軍]]の[[戦闘機]])
* [[紫電改#強風から紫電|紫電]](旧日本海軍の戦闘機)
199 ⟶ 200行目:
* [[サーブ 37 ビゲン]]([[スウェーデン語]]で稲妻の意、[[スウェーデン]]空軍の戦闘機)
 
=== 人物 ===
* [[イヴァン4世|イヴァン雷帝]]
* [[雷電爲右エ門|雷電為右衛門]]
 
=== その他 ===
* [[エクレア]](西洋菓子)
* [[雷おこし]](菓子)
* [[電撃戦]]
* [[雷音寺]]
* [[雷切]]
* [[雷撃]]([[魚雷]]攻撃)
 
== ==
[[八卦]](はっか、俗にはっけ)の中の「震」は雷に相当する。木気であり、方角としては[[]]を指す。
 
== 参考文献 ==
* [[日本大気電気学会]]編『大気電気学概論』  [[オーム社]]、[[2003年]]、ISBN 4-339-00751-X
 
== 出典・脚注 ==
{{reflist}}
 
== 関連項目 ==
* [[]]
* [[音寺]]
 
== 外部リンク ==
{{Commonscat|Lightning}}
{{wiktionary|雷}}