「平貞盛」の版間の差分

'''平 貞盛'''（たいら の さだもり、生年不詳 - [[永祚 (日本)|永祚]]元年[[10月15日 (旧暦)|10月15日]]（[[989年]][[11月16日]]）<ref>『[[系図纂要]]』による。</ref>？）は、[[平安時代]]中期の[[武将]]。[[平国香]]の[[長男]]。[[平維叙|維叙]]、[[平維将|維将]]、[[平維敏|維敏]]、[[平維衡|維衡]]らの父。「常平太」と称す。[[従四位下]]、[[馬寮|左馬允]]、[[馬寮|右馬助]]、[[常陸国|常陸]]大掾。

[[承平 (日本)|承平]]5年（[[935年]]）父国香が従兄弟の[[平将門]]に討たれた際は[[平安京|京]]で[[馬寮|左馬允]]在任中であった。休暇を申請して急遽帰国し、焼失した自宅から父国香の屍を探し、山中に避難した母と妻を探し出す。今回の事件を「源氏の縁座」であったことにより巻き込まれたと考えた（または、仇討よりも京で官人としての昇進を望んだとも）。貞盛は仇敵である[[平将門|将門]]に「互いに親睦をはかるのが最も良策である」という態度をみせている。

しかし、叔父の[[平良兼]]・[[平良正]]らが将門を攻めると誘われ、これに加わり将門と対立する。[[天慶]]元年（[[938年]]）2月29日、密かに上洛を企てるも将門に察知され、将門勢力下の[[信濃国]]小県郡の国分寺付近で追撃を受けるも脱出に成功。良兼の死後、将門追捕の官符を持って帰国するが将門に一蹴された。同年10月、[[陸奥国|陸奥守]]守[[平維扶]]の赴任に従って陸奥に入らんとするも再び将門の追撃を受け、辛くも逃げきり身を隠す。11月[[常陸国]]の紛争を利用して将門を討たんとするも再び失敗、[[藤原為憲]]と共に再び身を隠した。

[[天慶]]3年（[[940年]]）、[[藤原秀郷]]と協力して将門を攻め、2月14日「北山の決戦」にてこれを滅ぼす<ref>『扶桑略記』では、将門の戦死を貞盛の放った矢により負傷落馬し、そこに秀郷が馳せつけ首を取ったとされている。</ref>。将門討伐後、将門ら謀反人を討つことができたのも、多年の苦難を経て努力した貞盛の為すところも大きいとして、[[従五位上]]（[[正五位上]]とも）に叙せられた。

のちに[[鎮守府将軍]]となり、[[陸奥国|陸奥守]]守・[[丹波国|丹波守]]守を歴任、[[従四位下]]に叙せられ「平将軍」と称した<ref>『[[尊卑分脈]]』による。</ref>。