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'''歳差'''(さいさ、precession)または'''歳差運動'''(さいさうんどう)とは、[[自転]]している物体の回転軸が、[[円 (数学)|円]]をえがくように振れる現象である。
 
== 物理現象としての歳差 ==
一般に、[[剛体]]が[[角運動量]]を持つとき、その回転軸が[[慣性主軸]]で無いならば、外力が無くても回転軸は慣性主軸のまわりを振れ回るような動きをする。これを[[自由歳差運動]]という。([[地球]]の自転運動では、これは[[極運動]]の自由章動成分として現れる。)
 
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[[画像:Earth precession.jpg|thumb|270px|right|歳差運動。地球が公転する際にコマが首を振るように約25800年かけて自転軸が回る。]]
 
== 天文学における歳差 ==
[[天文学]]においては、[[地球]]の歳差運動、すなわち、地球の自転軸がコマの首振り運動のような回転をしているために[[春分点]]・[[秋分点]]が[[黄道]]に沿って少しずつ西向きに移動する現象のことを指して'''歳差'''(さいさ)と呼ぶことが多い。この歳差の周期は約2580025,800年である。
 
この地球の歳差運動の原因は、地球の形状が[[赤道]]部分の膨らんだ[[回転楕円体]]であるため、[[太陽]]や[[月]]の重力による[[潮汐力]]によって、赤道部分の膨らみを[[黄道]]面と一致させようとする方向にトルクを受けているためである。これを'''日月歳差'''という。日月歳差によって天の北極や赤道が動く。
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歳差による春分点の移動を最初に発見したのは、紀元前150年頃の[[ギリシャ]]の[[天文学者]][[ヒッパルコス]]である。彼は黄経180度・黄緯0度にほぼ近い位置にある[[おとめ座]]の[[スピカ]]を使い、[[月食|皆既月食]]の時に月とスピカの[[角距離]]を測った。日食や月食は黄道と[[白道]]の交点でしか起こらないので、日食・月食時の月や太陽は必ず黄道上にいる。従ってこの時のスピカとの角距離は、そのままスピカと月または太陽との[[黄経]]の差になる。ヒッパルコスはこの黄経の差を、彼の時代より約150年前の[[ティモカリス]]が作った[[星表]]と比較して、黄経の値が変わっていることを発見した。彼はスピカ以外の恒星についても同様にずれていることを見つけ、このずれは恒星の運動によるものではなく、黄経の基準である春分点自体が移動しているためであると結論した。
 
== 関連項目 ==
{{Commonscat|Precession}}
* [[章動]]
* [[ジャイロ効果]]
* [[ラーモアの歳差運動]]
 
[[Category:天体力学|さいさ]]
[[Category:力学|さいさ]]
 
[[Category:天体力学|さいさ]]
[[Category:力学|さいさ]]
{{DEFAULTSORT:たいさ}}
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