「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」の版間の差分

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{{クラシック音楽}}
'''ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら'''('''Tondichtung "Till Eulenspiegels lustige Streiche"''')Op.)作品28 [[リヒャルト・シュトラウス]]が作曲した[[交響詩]]。
 
「[[ロンド形式]]による昔の無頼の物語」とサブタイトルされているように、14世紀の北ドイツの伝説の奇人[[ティル・オイレンシュピーゲル]]の冒険談を題材に、シュトラウスの[[管弦楽法]]全てが巧妙に生かされた傑作。オーケストラの各楽器の融合離散の様が大変な聞き物であり、シュトラウス流のユーモアとウィットの洪水となる。冒頭の[[ホルン]]の旋律が有名。シュトラウスの交響詩の中では最も演奏機会が多い。
 
== 作曲経緯 ==
[[1894年]]から[[1895年]]にかけて作曲された。
 
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[[1895年]][[11月5日]]、[[ケルン]]にてフランツ・ヴェルナーの指揮で初演された。
 
日本初演は[[1929年]][[5月19日]]、[[日本青年館]]にて[[近衛秀麿]]と[[NHK交響楽団|新([[NHK交響楽団]]の前身)による。
 
== 演奏時間 ==
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== 音楽・構成 ==
*[[ロンド形式]]で作曲されている。
*弦楽器による親しみやすい短い前奏で始まる。これは昔話の「むかしむかし・・・……」を表すテーマである。続いて[[ホルン]]によるティル・オイレンシュピーゲルの第1のテーマが出る。続いて[[クラリネット]]でティルの笑いを表すテーマが示される。まず[[市場]]に現れたティルは牛馬を解き放し、市場は大騒ぎになる。ティルは空を飛ぶ靴で遁走する。続いてティルは[[僧侶]]に変装し、でたらめなお説教で人々を煙に巻く。独奏[[ヴァイオリン]]が退屈したティルのあくびを表現するが、ふと彼の心に破滅への予感がよぎる(金管群による信号)。続いてティルは[[騎士]]に変装し、美しい淑女を口説くが彼女にあっさりと袖にされる。怒ったティルは全人類への復讐を誓う(金管の鋭い上昇音型)。最初の標的を俗物学者([[ファゴット]]によるユーモラスな音型)に定めたティルは、彼らに論争をふっかける。しかし次第に旗色が悪くなり、論破されたティルは悔しまぎれに小唄を歌う。再びホルンによるティルのテーマが現れ、次第に勢いを増していく。好き放題にいたずらを繰り返すティルの活躍が描かれるが、突如[[小太鼓]]が鳴り響き、ティルは逮捕される。金管によるいかめしい裁判のテーマが奏される。ティルは裁判を嘲笑しているが、やがて彼は死の予感におびえて金切り声を上げる。ついに[[死刑]]の判決が下り、ティルは絞首台に昇らされ敢えない最期を遂げる。冒頭の「むかしむかし・・・……」のテーマが回帰し、ティルは死んでも彼の残した愉快ないたずらは不滅であることを示すティルの笑いの動機で曲が締めくくられる。
 
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[[Category:リヒャルト・シュトラウスの管弦楽曲]]
[[Category:交響詩]]
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