「冪乗則」の版間の差分

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quadratic law, constant factorほか目に付いた誤訳修正(平方剰余とかさすがに…?).俺もen-0だし他人のことは言えないが、それにしたってテンプレ貼ればいいってもんじゃ
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この式は、この傾き''k'' の線形関係の形をとり、独立変数のスケーリングは、関数の上か下かの移動を誘導し、関数の形と傾き''k'' の両方が変化しない。
 
べき乗則関係は、驚くほど多くの自然現象の形態(関係)を記述する。自然現象の記述という文脈において、「多項式関数」というよりも、[[冪乗]]」という言葉が使われる。たとえば、[[重力]]や[[クーロン力]]のような[[逆二乗の法則]]はべき乗則である。また、円の面積における[[平方剰余自乗比例相互法則]]など多くの数学的な公式もべき乗則である。同様に、多くの確率分布は、漸近的にべき乗則関係に近づく[[テール]]を持つ。こうしたべき乗則は、株式市場の崩壊や大規模な自然災害のような極端にまれな頻度だと考えられる、極値理論と強いつながりがある。
 
べき乗則関係の科学的な関心は、関数や分布が、ある一般的なクラスの仕組みからたやすく生成されるかどうかにある。それは、データのべき乗則関係を観察することは、しばしば問うている自然現象に潜んだ特定の種類の仕組みを指し示すことになる。そして、関係ないと考えられたほかの現象との深いつながりを示すことがしばしばできる。(たとえば、[[:en:power law#Bibliography |シモン(参考文献)]]や、[[:en:Power law#Universality |一般普遍性]]を見よ。)
 
物理学においてべき乗則があちこちで観測されるのは、部分的には[[次元解析]]のためである。一方、[[複雑ネットワーク |複雑システム]]において、べき乗則は、しばしば階層性と構造安定性のしるしであると考えられる。べき乗則の数少ない有名な例は、地震の大きさに関する[[マグニチュード|グーテンベルク・リヒター則]]や、収入の分布についての[[パレートの法則]]や、構造的自己相似性の[[フラクタル]]、そして、[[:en:Allometric law | 生物学的体系におけるスケーリング法則]]がある。べき乗則の関係の起源についての研究と、現実の世界でべき乗則関係を観察し、正当性を証明しようとする努力は、現代科学の諸分野において極端に活発である。活発な分野には、[[物理学]]、[[計算機科学]]、[[言語学]]、[[地球物理学]]、[[社会学]]、[[経済学]]などもろもろ存在する。
 
== べき乗則の性質 ==
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=== スケール不変性 ===
 
べき乗則を非常に興味深いものとする主な性質は、[[スケール不変性]]にある。<math>f(x) = ax^k</math> という関係、あるいはいかなる[[同次多項式]]であっても、恒常要定数によって独立変数<math>x</math> のスケールを変化させることは、関数それ自体のスケーリングの比例に帰結するだけだ。
 
:<math>f(c x) = a(c x)^k = c^{k}f(x) \propto f(x)\!</math>
 
この式は、定数によるスケーリングとは、単に元のべき乗則関係に定数、<math>c^k</math> を乗じることであることを示す。このように、特定のスケーリング指数を持つすべてのべき乗則は、恒常要因定数倍と同等となる。なぜならば、ひとつひとつが他の要因のスケールされた版であるからだ。このふるまいは、<math>f(x)</math> と<math>x</math> の両対数をとったときに、線形関係を産むことになる。こうした対数-対数プロットにおける直線関係は、よくべき乗則の「しるし」signatureと呼ばれる。しかし、実際のデータにおいて、こうした直線関係は必要条件であっても、べき乗則関係にデータが従っているとする十分条件ではないことに注意すべきだ。事実、こうした「しるし」signatureを示すふるまいを模倣するデータの有限な量を生成する方法は数多く存在する。本当のべき乗則ではない、単なる模倣のデータでは漸近的な限界がある。こうして、べき乗則モデルを正確にフィッテイングし、正当性を立証することは、[[統計学]]的な研究の活発な領域となる。