「リミックス」の版間の差分

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リミックスが世界的に普及したきっかけは、[[1970年代]]後半の[[ニューヨーク]]における[[ディスコ]]・ブームであった。[[ファンク]]や[[ソウルミュージック|ソウル]]のレコードの中で、ダンスフロアで踊っている人々に(踊りやすいという理由で)好まれる部分の演奏時間を何とかして引き延ばしたいと考えたディスクジョッキーたちが、当初は同じレコードを2枚用意し、それらを並べて置いたターンテーブルで若干の時間差を付けて再生し、ミキサーを用いて手作業でそれらのレコードの「延長したい部分」を交互にプレイしていたのであるが<ref>例えばAという楽曲の間奏部分30秒間を引き延ばしたい場合、この楽曲を30秒の時間差を付けて2つのターンテーブルで再生する。先に再生を開始したターンテーブルに置かれたレコードの当該の間奏部分が終了する直前に、ミキサーを用いてもう一つのレコードの出力に切り替える。更にこうやって引き延ばした30秒の間に、先に使用したレコードの針の位置を戻しておいて、同じようにしてミキサーで出力を「針の位置を戻したレコード」の方に切り替える。この作業を繰り返すことで、ディスクジョッキーは当該の間奏部分を果てしなく再生し続けることが出来る。</ref>、やがて最初からDJが使いやすいように原曲を引き伸ばしたり、[[ヴォーカル]]を取り除いたり、踊りやすい[[ブレイク]]の部分や音のパーツを強調したレコードが発売され、好評を博した。
 
最初のディスコ向けリミックスは、ニューヨークのDJであるウォルター・ギボンズが手がけたファンクバンド、ダブル・エクスポージャー(Double Exposure)の「TEN PERCENT」という曲のロング・リミックスである。わずか数分の原曲を9分以上に引き伸ばしたこのリミックス盤は爆発的な大ヒットとなった。後にはダンス向けでない普通の[[ポップス]]であっても、ディスコや[[クラブ]]で掛けてもらうことによるプロモーション効果を狙った「ダンス・リミックス」が[[12インチシングル・レコード]]に[[カップリング]]として収録されるようになった。
 
その後、リミックスの技法の発達や成熟により、ディスコで使用する為ではなく、完全に原曲を再構成してまったく別の曲を作り出すようなリミックスも現れた<ref>しかしながら、リミックスの中で一番大きな需要があるものは、依然としてダンスフロア向けのものである。このようなリミックスの技術に定評があるリミキサー(DJや[[音楽プロデューサー|プロデューサー]]を兼ねている事が多い)のギャランティは高額であるという{{要出典}}。アナログ・レコードで発売されるダンス・シングルのほとんどは、その曲のオリジナル・バージョンとは別に1~3曲程度のリミックス・バージョンが収録されている。一方、[[日本]]においては、[[カラオケ]]の練習用としての需要により、シングルにヴォーカルだけを抜いたインストゥルメント・ミックス(オリジナルカラオケ)を収録することが多い。</ref>。