「譲渡担保」の版間の差分

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'''譲渡担保'''(じょうとたんぽ)とは、債権者が[[債権]][[担保]]の目的で[[所有権]]をはじめとする[[財産権]]を債務者または[[物上保証人]]から法律形式上[[譲り受け]]、被担保債権の[[弁済]]をもってその権利を返還するという形式をとる担保方法である。
 
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金融実務上非常に広く応用され、裁判所の手続を経ないで簡易に実行できるのが特徴である。
 
== 総説 ==
工場の機械を担保に入れて金を借りる場合(もちろん機械は工場側が従来どおり使い続けることができる)
 
== 意義 ==
[[動産]]を債権の担保とする場合、[[不動産]]とは異なり[[抵当権]]が設定できず、[[質権]]しか用いることができない。しかし、質権では抵当権と異なり、担保の占有権を質権設定者から質権者に移す必要があるため、担保の目的物を担保設定者が継続して使用することができない。
 
この場合、譲渡担保を用い、所有権を担保権者に移転しつつ、担保権者が担保設定者に担保の目的物を賃貸(賃料が利息に相当する)することで、動産においても抵当権類似の担保を設定することができる。譲渡担保の具体例としては、工場の機械を担保に入れて金を借りる場合などがある(もちろん機械は工場側が従来どおり使い続けることができる)
 
== 物権法定主義との関係 ==
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二段階物権変動説、物権的期待説などがある。判例はこの立場であると理解できる。
 
== 譲渡担保の公示方法 ==
譲渡担保は公示によって第三者に対抗することができる([[対抗要件]])。譲渡担保の対抗要件は譲渡一般の対抗要件と同じく、動産については'''[[引渡し]](占有改定でもよい)'''又は[[動産・債権譲渡特例法]]上の登記、不動産については'''[[登記]]'''、[[指名債権]]については[[確定日付]]ある証書による通知又は[[動産・債権譲渡特例法]]上の登記である。
 
== 譲渡担保の実行 ==
譲渡担保の実行には、帰属清算型と処分清算型がある。[[裁判]]によることのない、私的実行である。
 
=== 清算手続 ===
譲渡担保の実行においては、常に清算(担保目的物の価額 - 非担保債権額)が必要となる。この精算金の支払いと担保目的物の引渡しは同時履行の関係に立つものと解され、精算金が支払われるまで担保権設定者には[[留置権]]が認められる。