「小袖曾我薊色縫」の版間の差分

物語は[[文化 (日本)|文化]]二年 (1805) に[[処刑|磔獄門]]になった盗賊・[[鬼坊主清吉]]の講釈ネタに、安政二年 (1856) の江戸城御金蔵破り事件をからめ、剣客・八重垣紋三の逸話と初春恒例の曾我兄弟の対面を付け加えたものだが、今日では清吉とその情婦・十六夜にかかわる部分のみが『'''花街模様薊色縫'''』（さともよう あざみの いろぬい）の[[外題]]のもとにで上演されている。『'''十六夜清心'''』（いざよい せいしん）の通称で知られるのはこちらの方である。

清吉とおさよは幼いわが子とともに、おさよの父西心の庵室に潜伏している。清吉は知らぬこととはいえ自分がおさよの弟を殺した事実を知り、涙ながらにおさよに告白する。狂ったように泣くおさよ。二人は自殺しよう争うはずみに、あやまって清吉はおさよを殺してしまう。清吉もかけつけた西心と正兵衛にわが子の将来を托し自害する。正兵衛は棺桶に隠れて脱走しようとするが捕らえられる（この場では他所事浄瑠璃『[[恋娘昔八丈・]]』（お駒才三）「鈴が森引き回しの段』」が使われ、清吉の心理情を上手く表している）。