「ケンブリッジ大学」の版間の差分

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大学本体は国立、傘下のカレッジが私立です。
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== 特徴 ==
ケンブリッジ大学は、31の[[カレッジ]]から成るカレッジ制を採る大学である。その創立に国や地方政府は関与しておらず、純粋な私立大学である。
 
カレッジは「学寮」とも訳され、全ての学生は学部生・大学院生を問わず、どこか必ず1つのカレッジに所属することになっている。歴史的に見れば、カレッジは教師と学生が寝食を共にし、そこで共に学ぶという[[修道院]]の形態に由来している。[[19世紀]]の半ばまで、教員は[[イギリス国教会|英国国教会]]徒であること、および生涯独身であることなどが義務付けられていたが、19世紀を通じての大学改革により、こうした義務は緩和されていった。現在では国教会に限らず、[[カトリック教会|カトリック]]のカレッジも存在している。
 
各カレッジは、代々固有の財産と安定収入のある独立王国のような私立大学である。伝統的な資産はイギリス各地の荘園、農園であり、近年では株式の割合も増えている。したがって歴史あるカレッジほど、資産と安定収入が多いことになる。それぞれのカレッジの資産を管理・運用するフェローのことをバルサー(Bursar)といい、経済学者のケインズはケンブリッジ大学のキングス・カレッジのバルサーであった。
 
かつてはそれぞれのカレッジに強い学問分野や特徴があり、現在ではその名残が一部に見られるものの、基本的にどのカレッジも様々な分野の勉強をする学生や研究者が集まっている。そのため分野を越えた人間関係を作り、[[学際]]的な研究や知的なフォーラムの生まれる可能性が高いこと、また学内のカレッジ間で学究やスポーツ・文化活動などについて、自発的な切磋琢磨を誘発しうることなどの点で強みを持ったシステムとなっている。その一方、現代の大学としてはカレッジ間の財政格差が著しいこと、大学事務が煩雑で非効率になっていることなど、種々の弊害も指摘されることがある。