「鉱物学」の版間の差分

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'''鉱物学'''(こうぶつがく、mineralogy){{Lang-en-short|mineralogy}})は、[[地球科学]]の一分野。[[鉱物]]の[[化学]]、[[結晶]]構造]]、[[物理]]的・[[光学]]的性質を追求する。また、鉱物の形成と崩壊のプロセスについても研究する。[[固体物理学]][[無機化学]][[結晶学]][[地球化学]][[固体惑星科学]][[岩石学]][[鉱床学]][[博物学]][[材料科学]]の学領域に存在する学問分野であり、地味ながら多彩な分野にまたがる学問である。
 
== 鉱物学の歴史とその意義 ==
鉱物を対象とした学問は、全て鉱物学と呼べる。とは言え、あくまで[[地球惑星科学]]の一分科でありながら、その中で、[[博物学]][[結晶学]][[無機化学]][[固体物理学]]と手法的に異なる4つの学問が共存している所が鉱物学の全貌を把握することを困難にしている。対象が同一で異なる手法が共存する学問は[[工学]]分野では当たり前である。しかし[[理学]]分野では、[[物理学]](および[[地球物理学]])・化学(および[[地球化学]])・[[地質学]]のように学問分野を手法で定義することが主流であり、学問分野を対象で定義した鉱物学と一線を画している。この点では鉱物学は[[生物学]]と近い。なお、地質学は過去の出来事を推測する[[歴史科学]]の一分野であり、歴史科学の手法を用いるが、鉱物学は必ずしも歴史科学ではない。
 
歴史的に鉱物学は[[岩石]]を構成する鉱物の分類と密接に関係している。1920年代以前より続く伝統的な'''記載鉱物学'''は、鉱物のネーミングを行ったり、鉱物の分布を調べたりすることである。博物学の一分野とも言える(この意義は現在でも決して衰えていない)。
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1970年代までに、天然に産出するほとんどの鉱物のおおまかな結晶構造は解明されつくされた。この頃は、鉱物学の手法的な進歩は一時的に停滞期にあったと言える。しかし1980年代後半以降、[[高圧合成法]]や[[溶液成長法]]、[[気相成長法]]などの実験手法が発達し、またコンピュータを駆使して結晶の挙動を原子レベルでシミュレーションすることが可能になってきた。このため、最先端の鉱物学の主流分野は、実験やシミュレーションにより
* 温度・圧力・時間と元素の化学反応との関係を解明し、鉱物の生成過程を実証すること(無機化学)。
* 極限状況下での鉱物の物性を解明し、例えば地球深度における鉱物の状態を予測すること(固体物理学)。
の2分野が主流となりつつある。また、近代鉱物学の延長にある結晶学的手法も長足の進歩を遂げ、人工では合成出来ない結晶構造の物質を見いだすに至った。つまり、最先端の鉱物学は「天然物を対象とした結晶学、および無機化学や固体物理学」であるとも言える。一例として[[高温超伝導]]物質を最初に発見した一人である[[ヨハネス・ゲオルグ・ベドノルツ]]は、元々ペロブスカイト構造型鉱物について研究していた鉱物学者である。
 
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== 関連項目 ==
{{CommonsCommonscat|Category:Mineralogy}}
* [[鉱物]]、[[鉱物の一覧]]
* [[地球惑星科学]]
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* [http://www.k4.dion.ne.jp/~kiseki/shinguu/book/index.html Gallery 輝石 地学講座]
 
[[Category{{DEFAULTSORT:地球科学|こうふつかく]]}}
[[Category:地質鉱物学|こうふつかく*]]
[[Category:鉱物地球科|*こうふつかく]]
[[Category:地質学]]
 
[[af:Mineralogie]]