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== 日本海軍の特設艦船 ==
=== 日露戦争 ===
[[1904年]]1月11日、[[山本権兵衛]][[海軍大臣]]は、明治三十六年度海軍戦時編制に準拠して汽船30余隻を雇入、各鎮守府に艤装を命じた。これらの船舶の呼称は、当時、単に「仮装巡洋艦」「水雷母艦」「工作船」「病院船」および「輸送船」であった。「輸送船」は、艦隊付属に限りその用途によって「給炭用」「給水用」を冠し、その他は一般に「輸送船」と称した。戦局の発展に伴い、特種の艤装を要するものが多く、用途を区分する必要が生じたため、1905年2月10日に至り、「仮装巡洋艦」「水雷母艦」「仮装砲艦」「水雷沈置艦」「工作船」「病院船」「給兵船」「給水船」「給糧船」「給炭船」「通信船」「救難船」「海底電線沈置船」等に再区分した<ref>『極秘明治三十七八年海戦史』(防衛研究所所蔵)第6部15巻第3篇「特設艦船の艤装」冒頭の記述。</ref>。なお、旅順要塞閉塞に用いた「閉塞船」も特設艦船の一種である。
 
=== 昭和前期 ===
昭和前期の日本海軍は特設艦艇の建造に特に熱心であった。軍縮条約および予算の制限により、補助艦艇の不足を感じていた日本海軍は、昭和12年(1937年)の「優秀船舶建造助成施設」に基づき、民間の優秀船舶が建造される際に補助金を出していた。これは、戦時には徴用され、特設艦艇に改装されることが条件であった。そのため、ハッチの大きさや位置の海軍規格化、大砲設置のための構造強化、飛行甲板設置のための甲板構造設計などが行われていた。
 
==== 種類 ====
特設艦船は、船の特徴、大きさなどにより32種類に分けられ艤装された。[[戦艦]]、[[駆逐艦]]と[[潜水艦]]を除き、ほぼすべての艦種に特設艦船がある。
 
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;特設雑用船:2千トン以上の貨物船
 
===== 特設監視艇 =====
太平洋戦争中、洋上哨戒をする監視船が大量に必要になった海軍は、外洋航海が可能な漁船等の船舶を「特設監視艇」に指定して徴用。海軍第22戦隊や各地の根拠地隊に所属させた。この特設監視艇は海軍艦艇として軍艦旗を掲げ、強力な無線機を装備して任務にあたった。北洋から赤道までその活動範囲は広範囲に及んだが、主に北緯30度・東経140度線付近の海域や東経150~160度線を南北に沿う海域を中心に哨戒していた。
 
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戦争中、この特設監視艇にされた船舶は少なくとも411隻あり、そのうちの209隻が乗っていた軍人や軍属の漁師たちの命とともに失われたという。
 
==== 徴用された船舶数と罹災数 ====
個々の徴用船に関する資料は多数あるが、まとまったものは少ない。したがって正確な数が把握されていないのが実情であるが、海軍が発表した資料によれば、
* 海軍が徴用した船舶は、1,373隻、約242万総トン
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**([[MACシップ|商船空母(MACシップ)]])-同上。
 
== 脚注関連項目 ==
<references/>
 
== 関連事項 ==
* [[武装商船]]
* [[大日本帝国海軍艦艇一覧]]