「中国民航機韓国着陸事件」の版間の差分

[[1983年]][[5月5日]]、[[中華人民共和国]][[遼寧省]][[瀋陽市|瀋陽]]にある[[瀋陽東塔空港]]から[[上海市]]の[[上海虹橋国際空港]]に向かう中国民航（[[中国民用航空総局]]）所属の旅客機[[ホーカー・シドレー トライデント|トライデントTr-2E]]（[[イギリス]]製[[ジェット]][[旅客機]]、[[機体記号]]：B-296）が、離陸直後に6名の武装グループに[[ハイジャック]]された。ハイジャック時に操縦乗員5人のうち通信士と航法士が銃撃され負傷した。

機体は[[遼東半島]]上空から[[朝鮮民主主義人民共和国]]（北朝鮮）上空を侵犯し、[[朝鮮半島]]の軍事境界線を通過し[[大韓民国]]の領空を侵犯した。ここで在韓米軍機がスクランブル発進してきたが、中国民航機は機体を左右に振らして恭順の態度を示した。その後戦闘機の誘導で[[江原道]][[春川市]]にある[[在韓米軍|在韓アメリカ軍]]基地に緊急着陸した。犯人は遼寧省の公務員であった卓長仁と姜洪軍ら男性5人と、その恋人1人の6人であった。彼らはは乗員9名（運行乗務員5名と客室乗務員4名）と乗客90名（うち[[日本人]]3名）を解放した後、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]への[[亡命]]を求め投降した。中国の旅客機がハイジャックされ国外に出た初めての事件であった。