「富貴蘭」の版間の差分

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== 概説 ==
[[フウラン]]は、日本特産の[[ラン科]]植物で、樹木の上に生育する[[着生植物]]である。花が美しく、香りがよいことから、古くから栽培されたものと考えられる。その中から、姿形の変わったものや珍しいものを選び出し、特に珍重するようになったのも、江戸時代の中頃までさかのぼることができる。文化文政のころ、一つのブームがあったようで、徳川十一代将軍[[徳川家斉|家斉]]も愛好し、諸大名も盛んに収集を行なっていたと言う。このころは[[植木鉢]]の上に金網のカゴをかけ、手を触れぬように鑑賞し、あるいは息がかからぬよう、白紙を口にくわえたとも伝えられる。また、[[参勤交代]]のおりに花をつけた植木鉢を駕籠に持ち込み、その香りを楽しんだともいう。
 
その後、次第に層が広がり、江戸末期には一般庶民にも愛好家が増えたようで、安政二年に作られた[[番付表]]が残っている。明治維新や第二次世界大戦の敗戦など、何度か存続の危機があったものの、ほぼ百種程が生き延び、現在に伝えられた。古くから伝わるものは、ほとんどが柄物か型変わりであるが、平成に入るころから花物も増えつつある。