「旅館」の版間の差分
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'''旅館'''(りょかん)とは、宿泊料を受けて人を宿泊させるための、和式の構造及び設備を主とする[[宿泊施設]]の
[[画像:Tamatsukuri onsen05st3200.jpg|thumb|240px|温泉地の旅館の例]]
旅館の種類には、[[観光]]利用や行楽利用主体の[[温泉]]旅館や[[観光]]旅館、割烹旅館([[料理]]旅館)などの
洋式のホテルと和式の旅館が混在しているという意味も含めて、[[日本]]独特の[[文化]]と考えられる。
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==旅館と旅館業の違い==
[[画像:Togo Onsen14s4592.jpg|thumb|240px|旅館のロビーの例]]
[[旅館業法]]では、旅館業として[[ホテル]]営業、旅館営業、[[簡易宿所]]営業、[[下宿]]営業の4種が定められている。単に旅館と言う場合には、このうちの旅館営業を行う施設の
== 特徴 ==
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;客室が和室であり一部屋二人以上の設定
商人宿と呼ばれる比較的低価格のビジネス利用主体の旅館(いわゆるビジネス旅館)では、古くから1人1部屋利用が比較的多いが、観光旅館や温泉旅館では(
一方、ホテルの場合1人で利用する客も多く、シングルルームの利用やツインルームの空室をシングルユースする
客室の[[テーブル|座卓]]には茶筒に入った[[茶葉]]や[[急須]]、[[茶碗|湯呑茶碗]]、[[畳]]の上または座卓上に湯の入った[[電気ポット]]または[[魔法瓶]]が用意され、利用者が[[茶]]を入れて飲む
;和室の宴会場がある
団体客の場合、夕食の宴会は
;共同浴室中心
[[画像:Tamatsukuri onsen yado02s3648.jpg|thumb|240px|露天風呂付き客室の例]]
最近では、高級旅館を中心に部屋[[風呂]]やの普及が進み、[[露天風呂]]付きの客室を売り物にする旅館も
;部屋着として浴衣の使用
旅館では一般に、利用者に貸し出す[[浴衣]]を客室内に用意している(
[[廊下]]や宴会場など、館内で着用可であるのはもちろん、温泉街では浴衣で外出する
温泉街の旅館では、浴衣を着て外出する宿泊客のために、[[下駄]]や[[傘|和傘]]も貸し出している。
;接客
接客係は、部屋への案内の
;一泊二食付きの料金設定
前述のとおり客室が和室であるが、通常は宿泊料金が[[食事]]代込
;食事の選択権がない
以前は食事の選択権がなかったが、これは評判が必ずしも
最近では、食事は数種類のプランが用意されて、宿泊客が選択できる旅館もある。料理旅館のみならず、観光旅館や温泉旅館でも、[[郷土料理]]や地元名産の[[食材]]を用いた料理など、食事の質の高さをセールスポイントとしている旅館が多い。
食事の量が多すぎて[[女性]]や[[高齢者]]など小食の人が食べきれないという問題もあり、そのような宿泊客への配慮から、かつてに比べて食事の量が少なめになっており、また、量を少なめにしながら質を向上させている
なお、食事は館内の大広間や[[食堂]]で供する
;サービス利用時間の制限
サービス利用時間が自由でなく、食事
;営業システム・予約システム・インターネットでの情報提供
[[電話]]等の直接予約の
ただし、旅行代理店を通した場合、旅行代理店の[[契約]][[手数料|マージン]]が発生する為、通常宿泊料金の10%から25%が宿泊料金に上乗せされる場合もある。この為、手馴れた[[旅行]]者の中には、[[インターネット]]などで内容を見てから、電話予約する場合が多い。
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インターネットでの空室情報の確認はできる施設は増えてきたが、インターネットのみで予約が完結するシステム等は採用していない場合も多い。しかし、旅館や周辺の観光スポットの情報提供は現代では必須となっており、全く対応していなかったり、更新が遅れている状況であれば逆に質が疑われても仕方ない状況になっている。
;宴会における芸者・コンパニオン
もちろん必須ではないが、[[芸者]]・[[コンパニオン]]を呼ぶ
==現状==
[[画像:Sawanoya-yanaka.jpg|thumb|200px|right|ターゲットを外国人に切り替えて経営を立て直した、[[谷中 (台東区)|谷中]]の「澤の屋旅館」。しばしばテレビなどの[[マスメディア]]で取り上げられる。]]
宴会ブームの崩壊で、都心に近い観光地の高級旅館、ホテルは経営が苦しくなっていると
反面、宴会を主としない固定客を持つ者も多く、これらの多くはバブル期以前に建設された物が殆どである。安定した入り客があるため経営状態も安定している。固定客が多い為、大々的な[[広告]]を出さずとも経営の成り立っている旅館も多々ある。
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古くからの旅館によっては経営者の[[高齢化]]が進み、少子化の影響で後継者が出来ず、次世代の代替わりが行えない業者も出ている。収支面では経営が成り立っていても、後継者問題で閉店になるケースも見受けられる。
特殊なケースでは、和室の低価格宿泊施設(いわば[[ベッド・アンド・ブレックファスト|B&B]]の旅館版)を売りに、[[外国人]]や[[学生]]、[[合宿]]を主なターゲットに切り替え、成功を収めた
===自炊旅館===
温泉街には通常の旅館の他に、'''自炊旅館'''が存在する。これは、宿泊場所を提供するだけでその他のサービスを省く
自炊旅館は旅館部屋を賃貸[[アパート]]のように貸し出すが、1泊単位で宿泊料金が決まっており、宿泊期間は個人差があるが、大抵1週間以上から長くて2ヶ月程度である。入浴料と電気代は宿泊料金に含まれているが、それ以外の[[布団]]貸
旅館内には
== 温泉旅館の不振の原因 ==
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=== 旅行形態の変化 ===
旅行の形態が職場や地域、[[農業協同組合]]等の団体旅行から、[[家族]]、友人・知人
=== 宴会離れ ===
温泉旅館といえば、団体での[[宴会]]が
宴会は盛り上がると自然と[[アルコール飲料|アルコール類]]の消費が多くなる。これが温泉旅館にとっては結構収益として大きかった。また、供される料理もとにかく見た目の美しさを重視した盛り付けのみでよかった。大皿に多量の料理を盛ったものでも通用したのである。宴会場に並べておけばよいので、効率も良い。多量一括仕入れで[[コスト]]ダウンも可能である。それに、泥酔すれば酒類も銘柄に構わなくなり、良質で高価な酒類でなくとも十分である。ところが、少人数だとアルコール類もあまり進まない。料理にも、素材、調理、盛り付け、器に配慮が問われる。部屋食には、上げ下げの手間もかかる。
加えて、[[1990年代]]
=== 食事へのニーズ ===
食事は旅館のお仕着せの宴会料理や会席料理ではなく、[[洋食]]や[[中華料理|中華]]も含めて、盛り沢山で
温泉旅館のパンフレットをみても
なお、旅館宿泊者は「泊食分離」を求めているとの指摘もあるが、より正確には、料金の内訳明細の開示を求めるニーズと理解すべきとの意見もある。実際にはエージェントが料理内容を固定化している
=== 心を癒せない景観 ===
宴会を主とすると「[[温泉]]」はいわば添え物であり、[[温泉街]]は夜の時間を過ごす空間であった。そのため、外見等にはあまり構わず旅館は拡張競争を繰り広げてきたため、複雑怪奇な[[コンクリート]]の姿をむき出しにしており、[[景観]]を阻害している。夕方旅館に着いて、即宴会、就寝。朝、食事後
[[由布院温泉]]、[[黒川温泉]]など、繁栄を続けている[[温泉地]]を見れば、植栽や林野に富む風景など、情趣の感じられる景観の重要性は明らかである。また、[[古民家]]的な物や、特異な地形に立つなどコンクリートの建物自体がノスタルジックな物として[[カメラマン]]などにより位置
=== 温泉の質への疑問 ===
[[温泉偽装問題]]、各地の公営[[温浴施設]]における[[レジオネラ菌]]の問題をきっかけとして、利用客は泉質に厳しい眼を注いでいる。巨大旅館の場合、[[露天風呂]]など「器」の凝りようや豪華さは競うが、泉質については不利さは否めない。源泉の容量には限りがあり、配湯は組合や自治体等が行っている
=== 湯の町情緒の劣化 ===
かつては温泉街には
これらの多くは経営者の高齢化による経営意欲の低下、後継者難に加え、[[建築]]基準との関係で新店舗の建設がしにくい
=== エージェント依存、インターネット対応の遅れ ===
温泉旅館は伝統的な宿泊施設である
=== 過剰借入れ===
温泉旅館は[[季節]]変動もあり、
各地の温泉旅館の再生事例にもあるように、状況を打破するためには、もちろん経営者の経営責任追及は不可欠であるが、ある程度の[[債権]]放棄も考慮する必要があろう。-->
=== 新興温泉地の乱立 ===
温泉その
もちろん、各地の[[温浴施設]]の繁盛、部屋数10~20と決して大規模ではないが、人気で予約をとりにくい温泉旅館もある。<!--結局、日本人は温泉そのものに飽きたのではなく、情緒の乏しいコンクリートだらけの温泉、食事も入浴も時間を指定されるサービス精神の乏しい温泉旅館に愛想をつかしていると言えよう。-->
==旅館をメインにした作品==
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