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{{otheruses|自然科学・工学分野で用いられる自由度|報道の自由度|国境なき記者団#世界報道自由ランキング|ゲームの自由度|自由度 (ゲーム)}}
'''自由度'''(じゆうど)
'''自由度'''(じゆうど, Degree-of-freedom)とは、一般に、[[変数]]のうち独立に選べるものの数、すなわち、全変数の数から、それら相互間に成り立つ関係式(束縛条件、拘束条件)の数を引いたものである。
*[[自由度 (力学)]]
自由度 1、1 自由度などと表現する。
*[[自由度 (機構学)]]
*[[自由度 (熱力学)]]
*[[自由度 (統計学)]]
*[[自由度 (ゲーム)]]
*[[国境なき記者団#世界報道自由ランキング|報道の自由度]]
 
自由度は、[[力学]]、[[機構学]]、[[統計学]]などで使用され、意味は上記の定義に準じるが、それぞれの具体的に示唆する処は異なる。
{{aimai}}
 
 
==力学==
[[力学]]では、系を構成する全[[質点]]の座標のうち、独立に決定できるものの数をいう。
 
* 1 [[質点]]: 3 次元空間での並進が許されている場合、自由度は 3である。
* 2 [[質点系]]:それぞれの質点が独立に運動する場合、自由度は 6である。両者の質量中心を系の代表座標とし、重心の並進3自由度、[[重心]]回りの回転2自由度、[[重心]]をはさむ2質点間の相対距離の変化すなわち[[振動]]1自由度によって表現されることが多い。
* [[剛体]]:<math>n</math> [[質点系]](ただし<math>n \geq 3</math>)において、全質点間の[[相対距離]]が不変であるという代数的な拘束条件が課される。このため、系全体の自由度は並進3自由度、回転3自由度の計6自由度となる。平面上に運動が拘束されているならば、並進2自由度、回転1自由度の計3自由度となる。
 
関連項目:[[統計力学]]、[[エネルギー等配分の法則]]
 
==機構学==
[[機構学]]においては、機構全体の構造を決定する可動変数の数を差す。機構を構成する[[リンク]]は[[剛体]]とみなされるため力学における定義に準じ、さらにリンクの接点である[[対偶]]によって拘束条件が代数的に表現されるため、自由度計算の定式化が比較的容易である。
 
例えば、平面上において1自由度対偶および2自由度対偶からなる機構の全自由度は次式で表される。
 
:<math>f = 3(n-1) - 2n_1 - n_2</math>
 
ただし<math>f</math> は自由度、<math>n</math> はリンクの数、<math>n_1</math> は自由度 1 の対偶の総数、<math>n_2</math> は自由度 2 の対偶の総数である。また、機構をなすリンクのうち一つは空間に固定されているとする。
 
例えば、リンクの数が 5、自由度 1 の対偶の総数が 5 である平面5節閉リンク系の自由度は、
 
:<math>f = 3 \times (5-1) - 2 \times 5 = 2 </math>
 
である。
 
立体構造をとる機構の自由度を表す式は次の通りである。
 
:<math>f = 6(n-1) - \sum_{i}^{ } (6-i)n_i</math>
 
ただし自由度 <math>i</math> の対偶の総数を <math>n_i</math> としている。
 
移動機構、すなわち[[脚型ロボット]]、[[人工衛星]]などでは、基底となる一つのリンクは空間に固定されておらず、平面の場合3自由度対偶、立体の場合6自由度対偶によって仮想的に[[慣性系]]に結合されていると見なす。さらに、慣性系もリンクの一つに加えられる。例えば、全ての関節が1自由度関節からなり、片腕に7リンク7関節、片脚に6リンク6関節を持つ26関節[[ヒューマノイドロボット]]の場合、胴体リンクと慣性系を加えて全28リンクとなるので、全自由度は、
 
:<math>f = 6 \times (28-1) - (6-6) \times 1 - (6-1) \times 26 = 32</math>
 
となる。
 
また、例えば車輪型移動機構の場合、車輪が路面に対し滑りを生じないならば、代数的な関係で表せない拘束条件([[非ホロノミック拘束条件]])が課せられることになる。このため、自由度の計算は単純ではない。
 
==熱力学==
[[熱力学]]では、[[平衡]]状態で自由にとることのできる[[状態変数]]の数を示す。
 
一番簡単な 1 成分 1 相系では、自由度 2。すなわち 2 個の状態変数([[温度]]と[[圧力]]、温度と[[体積]]、など)で状態を記述できる。
 
c 成分 p [[相]]が平衡状態で存在する場合には、自由度は 2+c-p となる([[相律]])。この場合には、2個の'''状態変数'''に加え、'''各成分の割合(から相の数を引いたもの)'''で状態を記述できる。
 
==統計学==
[[統計学]]では、各種の統計量に関して自由度が定義される。
 
大きさ ''n'' の標本における観測データ (''x''<sub>1</sub>, ''x''<sub>2</sub>, ..., ''x''<sub>''n''</sub>) の自由度は ''n'' とする。それらから求めた標本[[平均]] <math>\bar{x}</math> についても同じ。
 
[[不偏分散]] <math>s^2 = \frac{\sum_{i=1}^{n}(\bar{x} - x_i)^2}{n-1} </math> については、<math>\bar{x} = \frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}x_i </math> という関係式(ここで <math>\bar{x}</math> は母集団平均 ''μ'' の推定量である)があるから、自由度は 1 少ない ''n'' - 1 となる。そのため分母には ''n'' - 1 を用いている。
 
 
{{DEFAULTSORT:しゆうと}}
*[[自由度 (Category:統計学)]]
[[Category:力学]]
[[Category:対称性]]
[[Category:システム]]
 
[[ca:Graus de llibertat]]
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[[de:Freiheitsgrad]]
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*[[zh:自由度 (力学)]]