「超時空戦艦まほろば」の版間の差分

『'''超時空戦艦まほろば'''』（ちょうじくうせんかん -）は、[[1993年]]から[[1998年]]にかけて[[小学館]]の月刊誌「ビッグゴールド」に断続的に連載されていた[[松本零士]]の漫画作品。短編連作『ケースハード』の一編として発表され、後に一部のエピソードを除き単独で[[単行本]]化された作品。なお、[[ビックウエスト]]の『[[超時空シリーズ]]』とは一切無関係である。

ある日、しがない貧乏カメラマンの大山歳郎（おおやま としろう。公的には「土田司朗」と名乗っていた）は、1件のアパートの火災に遭遇、1人の老人を救出する。その際、歳郎は炎上する部屋の中で見たことも無い戦艦の写真を、持っていたカメラに収める。

老人は全身大火傷を負い、病床の中で歳郎に、写真の戦艦は大和型戦艦の幻の4番艦「まほろば」であること、そしてまほろばは戦没することなく、降伏することもなく今も人知れず戦い続けていることを告げ、持っていた短刀を歳郎に託し、死亡した。

そんな歳郎の前に謎の美女・羽黒妖（はぐろ よう。『新ヤマト』にも登場し、古代32世らをグレートヤマトへ導く）が現れる。それは歳郎がまほろばと遭遇するきっかけとなる。

本作の主役メカとして登場する[[戦艦]]である。艦名は[[ヤマトタケル]]が詠んだと言われる[[和歌]]「やまとは くにのまほろば たたなづく あをかき やまこもれる やまとしうるはし」に由来する。「まほろば」の意味は「良い所・住みやすい場所」。この場合は[[大和 (戦艦)|大和]]や[[扶桑 (戦艦)|扶桑]]と同じく、[[日本]]（[[大和|やまと]]）のことを意味しているとおもわれる。

作品中の設定では[[大和型戦艦]]の4番艦とされている。もっともまほろばは艦の大きさや武装が大和型とは異なるので、正確には大和型戦艦ではない。くそのスペックはむしろ[[超大和型戦艦]]と言える<ref>史実における超大和型戦艦は大和型戦艦の艦体の設計を流用し、主砲は51cm砲を連装3基、計6門の予定だったという説が有力である。なお史実の大和型戦艦4番艦は[[111号艦|第111号艦]]（艦名不明、建造中止となっている）である。</ref>。

[[大日本帝国海軍|日本海軍]]によって極秘裏に建造され、[[第二次世界大戦]]末期に完成、大和と共に[[天号作戦|天一号作戦]]に参加したが、大和の沈没によって反転し、その後[[連合国]]にも降伏せず、行方不明となっていた。しかし実は有志により運用され続け、黒い[[旭日旗]]を[[戦闘旗]]として掲げ、どこの国にも属さず、その時代時代の人類の敵と密かに戦い続けていたのである。黒い[[旭日旗]]を[[戦闘旗]]として掲げている。

主砲に三連装51cm砲を5基、計15門備える、大和を凌ぐ最大最強の[[超弩級戦艦]]である。本作の舞台の時代（作中、[[1995年]]の日付の[[新聞]]が出て来る場面があるため、[[1990年代]]と思われる）には主機関（[[波動エンジン]]のようにも見える[[デザイン]]の機関が搭載されていた）主機関や主砲（作中の登場人物の発言や、終盤にて[[宇宙空間]]で発砲していることから[[レールガン]]に換装されているようである）を含め大幅に改装されており、水上速力70ノット以上を軽く出せ、艦底にヤマトの第三艦橋に似た構造物を斜めに2つ備え、潜水能力や空中（、更には宇宙空間へも）飛行能力をも有し、更には艦内に1つの[[都市]]までが存在していた。

「まほろば」は同じく松本の漫画作品『[[新宇宙戦艦ヤマト]]』にも[[宇宙戦艦]]となって登場する。これはかつてのまほろばを水上艦から宇宙戦艦に改造したものであると思われる（ここで述べている「改造」とは、艦種が変わることである。すなわちここでは戦艦から宇宙戦艦へということである）。グレートヤマトの僚艦とされ、細部（艦橋部分の形状など）はかなり異なるが、おおまかな外観や武装からしてグレートヤマトの準同型艦といってもよい。また、羽黒妖は『新ヤマト』に古代32世らをグレートヤマトへ導く役目で登場している。