「頭蓋骨骨折」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
15行目:
線状骨折そのものが[[手術]]の対象になることはないが、[[乳幼児]]では進行性頭蓋骨折(発育性頭蓋骨折)となることがあるため注意を要する。またいずれの場合も[[脳出血|頭蓋内血腫]]の発生に注意する必要があり、特に[[中硬膜動脈]]や静脈洞を横断する[[骨折]]がある場合には[[硬膜外血腫]]が発生することがある。
==== 進行性頭蓋骨折 ====
乳幼児、特に1歳未満における頭蓋骨骨折は進行性に骨折線が離開し、その辺縁が外方へ膨隆して皮下に[[髄液]]が貯留することがあり、これを進行性頭蓋骨折 growing skull fracture という。乳幼児の[[頭蓋骨]]内面は[[硬膜]]と密に[[癒着]]しており、骨折と同時に硬膜の裂傷を生じる場合が多い。硬膜裂傷部から[[髄液]]が頭蓋軟部組織中に流出し貯留した状態を偽性髄膜瘤 spurious meningocele という。乳幼児の硬膜外層は[[骨]]形成に重要な[[骨膜]]としての役割を担うため、骨折断端部は内外面の骨膜が剥離して栄養障害に陥る。乳幼児の頭蓋骨は軟らかく、また[[]]の[[拍動]]が骨膜の剥離した骨に直接伝わるので、骨組織の吸収を生じることが多い。皮下には、[[クモ膜]]の癒着によりクモ膜[[嚢胞]]が形成されることがあり、また受傷時に[[損傷]]を受けた可能性の高い脳表と癒着した[[肉芽組織]]が形成されることがある。治療は手術により硬膜および頭蓋骨の形成を施す。また、外傷性[[てんかん]]を生じやすいので抗痙攣剤を投与する。
 
=== 陥没骨折 ===