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== 受命思想 ==
受命思想の成立は[[殷]]から[[周]]への王朝交代と結びつけて考えられている(三田村泰助『黄土を拓いた人びと』)。三田村によると、殷の王の正統性は帝または上帝と呼ばれる最高神の直系子孫であると称していた点にあった。その血筋ゆえに王は帝の助力を得る資格があるとされ、その手段が占いである。周は殷の支配に服す地方領主に過ぎなかったため、殷を滅ぼして王として天下に号令するには別の正統性が必要とされた。周は天空を自然神、すなわち天として崇拝していた。天の意思は殷の帝と異なり、占いなどでは知ることができず、天命によって示されるとした。この天を殷が奉じた帝と同一視し、皇天上帝または[[天帝]]と呼ぶこととした。すなわち、天帝の天命が殷から王位を取り上げて周へ王として統治することを命じたのだと信じたのである。これら周の政治思想をまとめたものが[[五経]]に代表される儒学の教典である。
[[孔子]]に代表されるように中国思想の根幹には伝統的に「天の思想」が存在し、天を政治や道徳の根拠として扱ってきた。徳のある王が天から命を受け、国を治めるという受命思想を発展させてきた。天命を受けたものが皇帝となり、徳の無い政治をすれば、天命は別の人間に下り王朝の交替が行われる。
 
[[孔子]]漢代以降の儒学の受容代表される伴い、このように中国思想の根幹には伝統的に「天の思想」が存在し、天を政治や道徳の根拠として扱ってきた。徳のある王が天から命を受け、国を治めるという受命思想を発展させきた。天命を受けたものが皇帝となり、徳の無い政治をすれば、天命は別の人間に下り王朝の交替が行われるというわけである。
 
中国の歴代の王朝は姓をもっており、王朝の交代は姓がかわることを意味した。天命を受けて王朝が交代することを「[[易姓革命]]」という。つまり「易姓」とは「姓がかわる」という意味であり、王朝交代の大義名分として天命が使われたのである。