「トリメチレントリニトロアミン」の版間の差分

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{{Infobox 爆薬
| name=トリメチレントリニトロアミン
| 構造式=[[Imageファイル:Hexogen.svg|構造式 トリメチレントリニトロアミン]]
| IUPAC = 1,3,5-trinitroperhydro-1,3,5-triazine
| 別名= シクロトリメチレントリニトロアミン<BR>RDX<BR>ヘキソーゲン<BR>サイクロナイト<BR>T4
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[[ワックス]]でコーティングしたものをコンポジションA、[[トリニトロトルエン|TNT]]と共融させたものをコンポジションB、[[可塑剤]]と混ぜたものをコンポジションCと呼ぶ。
 
== 化学的性質 ==
白い粉末状の環状[[ニトラミン]]であり、水には溶けないが[[アセトン]]には可溶。類似した[[化合物]]にはHMX([[シクロテトラメチレンテトラニトラミン]])、EDNA([[エチレンジニトラミン]])などがある。
 
== 毒性 ==
人間を含む哺乳類に対して脱力感、めまい、頭痛、吐き気、痙攣、意識喪失などの症状を引き起こす。長期または反復暴露による中枢神経系の障害によりてんかんのような症状を起こす。
 
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|}
 
=== 参照 ===
*[http://www.nihs.go.jp/ICSC/icssj-c/icss1641c.html 国際化学物質安全性カード(WHO/IPCS/ILO) RDXの項]
 
== RS-RDX ==
RS-RDX(Reduced Sensitivity RDX)と呼ばれている非常に感度の低い性質を持つRDX爆薬が知られている。
日本語では'''鈍感化RDX'''などと呼ばれている。
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近年では[[低感度爆薬]]が求められていることから、研究が進められている。
 
== 製造法 ==
=== 硝酸法 ===
古くから行われている方法である。
純度99.5%以上の[[ヘキサメチレンテトラミン]]を大量の硝酸で[[ニトロリシス化]]して、水で希釈して結晶を析出させ、濾過分離する。
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:(CH<sub>2</sub>)<sub>6</sub>N<sub>4</sub> + 4HNO<sub>3</sub> → (CH<sub>2</sub>)<sub>3</sub>(NNO<sub>2</sub>)<sub>3</sub> + 3 HCHO + NH<sub>4</sub>NO<sub>3</sub>
 
=== 無水酢酸法 ===
硝酸法に対して材料に対する製品の取得量が二倍近くも高く、使用する硝酸の量も少なくて済む。収率も75-85%と大変効率が高い。しかし、廃酸から無水酢酸を回収する大型設備が必要で操作が複雑で難しいことなどから、大規模設備での大量生産でなければ採算が取れない。現在では大量生産のために、こちらの方式での製造が一般化している。
 
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:(CH<sub>2</sub>)<sub>6</sub>N<sub>4</sub> + 4 HNO<sub>3</sub> + 2 NH<sub>4</sub>NO<sub>3</sub> + 6 (CH<sub>3</sub>CO)<sub>2</sub>O → (CH<sub>2</sub>)<sub>3</sub>(NNO<sub>2</sub>)<sub>3</sub> + 12 CH<sub>3</sub>COOH
 
どちらの方法でも反応後は真空濾過器による濾過分解と濾過水洗浄を繰り返して結晶を抽出する。抽出された結晶は精製工程に送られ、中和水洗槽で酸分の中和を行い結晶を水と一緒に煮洗器で90–100{{lang|en|&deg;°C}}で常圧煮洗して、真空濾過器で結晶を分離する。
 
濾過分離された結晶の[[仮比重]]はほぼ水と同じ1しかなく、このままでは爆薬としての威力が低いため、精製した結晶は仮比重を高めるために圧搾処理を行う。200Kgf/cm<sup>2</sup>で圧搾すれば最大1.73まで高めることができる。
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[[de:Hexogen]]
[[en:RDX]]
[[eo:RDX]]
[[es:RDX]]
[[fi:Heksogeeni]]