「連合国暫定当局」の版間の差分

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国防総省から統治を引き継いだ当局代表ジェイ・ガーナーは、イラク国家運営にはフセイン政権下で要職にあった旧[[バアス党]]員や[[スンナ派|スンニ派]]勢力の協力が不可欠と考え、戦犯をフセイン大統領と一部側近にとどめて、しばらくはフセイン体制を維持したまま、ゆっくりと改革していこうと考えていた。しかし、性急な体制変革を望む[[ジョージ・W・ブッシュ|ブッシュ政権]]や国防総省、イラク国内の[[シーア派]]や[[クルド人]]勢力はガーナーの方針に反発、彼は1か月で解任され、後任には米国の重鎮[[ヘンリー・キッシンジャー|キッシンジャー]]の下で学んだ若手のポール・ブレマーが抜擢された。
 
彼は就任すると、本国や国内勢力の意を受け、旧バース党員すべてを[[公職追放]]した。官公庁職員・警察官・消防士・軍人など、フセイン時代からの公務員は概ねバース党に登録していた為、国家機能は失われてしまった上、これらの人材が武装勢力に加わる結果となった。また、公職や高級な職種についていたのはフセインに厚遇されたスンニ派に限られていた為、これらを追放すると、失業したスンニ派住民と、それまでの抑圧の恨みを持ったシーア派・クルド人の軋轢が増し、過度な衝突を招いた。国家運営は、連合軍や連合国の人材が当初から少なすぎたことが災いし、各地で武装勢力や宗教勢力が自治組織を運営して勢力を拡大した。当局はクルド人の自治権を大幅に拡大したが、クルド自治区はイラク軍とは別の武装組織が治安維持を行い始め、治安は良いものの、半独立国の様相であり、クルド人組織も独立を望んでいるが、大量のクルド人を抱える周辺諸国は危機感を募らせた。
 
CPAの政策内容は、フセイン体制を一掃したことに尽き、後に「[[内戦]]状態」といわれるイラクの主要因を生み出したともいえる。