「短音階」の版間の差分

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和声に関する簡単な説明と、旋律的短音階が上行と下行で変化する理由を追加。
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[[image:A minor scale.png|frame|[[イ短調]]]]
{{sound|Natural a minor scale.ogg|イ短調}}
'''短音階''' (たんおんかい) とは、[[全音階]]の一種。別名、'''マイナースケール'''。もっとも基本的な短音階は自然的短音階といい、ii度音(音階の下から数えて2番目の音)とiii度音、v度音とvi度音の間が[[半音]]であるこれ以外には、和声的短音階、旋律的短音階が存在する。
 
一般的に、短音階は、陰気、悲しさといった感情を励起するが、絶対的なものではない。例えば[[ユーロビート]]などは短音階で作られる曲が多いが、テンポが速いため、陰気さはあまり感じられないことが多い。また荘重な表現や、勇敢・ワイルドな表現にも適している。
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==和声的短音階(ハーモニック・マイナー・スケール)==
{{sound|Harmonic a minor scale.ogg|イ短調(和声的短音階)}}
自然的短音階では、[[主音]]直下の音階構成音(vii度音)が[[全音]]下の音になるため、その音から上行して主音に行っても終止感が乏しい。終止形のそれを改善するため、このvii度音を半音上げて、主音のすぐ半音下の音としたもの。これによって、終止形の和音の流れに不協和なトライトーン(3全音)が入るため、自然的短音階の素朴な物悲しさに比べ緊張感が強まり、より「短音階らしく」なる。Aを主音にした短調を例にした場合、自然的短音階ではコードネームでいうと Em - Am という流れで終わるのに対し、和声的短音階では E7(不協和音を含む) - Am という流れになる。曲の終止形として、にごった和音(不協和音)から澄んだ和音(協和音)に進めて曲をしめくくるというのは、長調短調ともに最も基本的なパターンである。「和声的」短音階という名称は、この和声の流れを意識したものである。和声的短音階は、和声の流れとしては使いやすくなった反面、vi度音とvii度音の間隔が[[増二度]]となりメロディとしては少々不自然であるといわれる。
 
==旋律的短音階(メロディック・マイナー・スケール)==
{{sound|Melodic a minor scale.ogg|イ短調(旋律的短音階)}}
和声的短音階の不自然さを補うため、vii度音に加えてvi度音も半音上げた音階である。旋律的短音階(の上行形)は、長音階とった一音しか違わない。すなわち、主音から三度の音程けが異なる。ピアノの白鍵でドレミファソラシドと弾くときに、ミだけ半音下げて黒鍵を弾けば、それは旋律的ハ短調である。旋律的短音階は、長調との差が小さいため、下降時は一般にvi度音、vii度音とも半音増が解除され、自然的短音階と同じにする場合が多い。そうすることによって、短調らしさを回復している(実際にはそのときに使われる和音の構成音により解除されない場合もある)。
 
==自然的短音階(ナチュラル・マイナー・スケール)==