「東屋 (源氏物語)」の版間の差分

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浮舟は、[[宇治八の宮]]とその女房であった中将の君との間に生まれた娘だったが、宮には認知されなかった。中将の君はまもなく浮舟を連れて[[陸奥国|陸奥]]守(のちに[[常陸国|常陸]]介)と再婚し、東国に長く下っていた。常陸介との間にも数多の子をもうけていたが、高貴の血を引き一際美しい浮舟をことさら大事に育て、良縁をしきりに願っていた。
 
受領ながらも裕福で家柄も卑しくない常陸介のところには、それを目当てにした求婚者が多かった。20歳を過ぎた浮舟は、そのうちの[[左近少将]]と婚約したが、財産目当ての少将は浮舟が常陸介の実子でないと知るや、実の娘である妹に乗りかえて結婚した。浮舟を不憫に思った中将の君は、彼女を二条院の[[宇治中君|中]]のもとに預けに行く。ところが[[匂宮]]が偶然浮舟を見つけ、強引に言い寄ってきた。かろうじて事なきをえたが、それを聞いた中将の君は驚いて彼女を三条の小家に隠した。
 
秋九月、薫は浮舟が三条の隠れ家にいることを知り、弁の尼に仲立ちを頼んでその小家を訪れる。そして翌朝、浮舟を[[牛車|車]]で宇治に連れて行ってしまった。浮舟の不安をよそに、彼女に[[宇治の大君|大君]]の面影を映し見る薫は、大君を偲びつつ今後の浮舟の扱いに思い悩むのだった。