「ロールス・ロイス オリンパス」の版間の差分

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[[Image:Bristol Olympus.jpg|thumb|300x|right|オリンパス]]
'''オリンパス''' ('''Rolls-Royce Olympus''') は[[イギリス]]で開発された[[軸流式圧縮機|軸流圧縮式]][[ターボジェットエンジン]]である。原型は[[ブリストル飛行機#ブリストル・エンジン社|ブリストル航空エンジン]]社で開発、生産された。オリンパスの名前の由来はブリストルでの伝統に則って[[ギリシャ神話]]から名づけられた。後に[[ブリストル・シドレー]]に引き継がれ、最終的には [[ロールス・ロイス plc|ロールス・ロイス]]に引き継がれた。
 
原型は[[アブロ バルカン]]向けに開発されたものである。後に[[BAC TSR-2|TSR-2]]計画で超音速能力を付与され、同計画が中止されると[[コンコルド]]向けに用途を見出された。[[アメリカ合衆国]]の[[カーチス・ライト]]社ではJ67の名称で産業用および艦船用[[ガスタービン]]として[[ライセンス生産]]されている。
 
== ブリストル・シドレー オリンパス (ヴァルカン) ==
[[1950年]]、オリンパスが最初に運転された時、その推力は44kNであった。[[1953年]]、[[イングリッシュ・エレクトリック キャンベラ]]に懸架されて飛行試験が行われ、[[1955年]]より本格的な生産に入った。オリンパスは[[ブリストル・シドレー]]社でも開発が継続された。[[1956年]]、'''オリンパス 101'''は[[アブロ バルカン|アブロ バルカン B.k.1]]に搭載されて102、104と改良された。106は201の開発用器材であり、最初にオリンパス 201を搭載したのは、アブロ バルカン B.k.2爆撃機であった。
 
低圧側圧縮機と低圧タービンの改良(低圧段の外付けを含む)により、オリンパス 201の推力は76kNから89kNに増強された。引き続き改良型のオリンパス 301が開発され、これもバルカン B.Mk.2爆撃機に搭載された。圧縮段数がにより流入する空気量が増えた事に伴い、エンジン吸気口は拡大された。
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[[Image:Concorde 216 (G-BOAF) last flight.jpg|300px|thumb|right|定期便での最後のフライトに向かうコンコルド]]
[[Image:Olympus.593.arp.750pix.jpg|300px|thumb|right|コンコルドの機首横に置かれたオリンパス 593 エンジン]]
短期間であれば[[Tu-144 (航空機)|ツポレフ Tu-144]]の例もあるが、[[コンコルド]]の商業飛行が唯一の[[アフターバーナー]]を使用する民間航空機の長期運行事例である。オリンパス 593エンジンの開発は[[1964年]]に始まった。TSR2爆撃機用として開発していたオリンパス320エンジンを元にブリストル・シドレーと[[スネクマ]]が共同で開発を進める事になった。[[1966年]]にブリストル・シドレーはロールス・ロイスに吸収され、ロールス・ロイスが英国側のパートナーになった。基本的な構造は同じだが、多くの点で改良された。
 
* 重要度の高い要素 – 燃料消費
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* タービン入り口温度
 
オリンパス 320のアフターバーナーセクションは(初期のジェットエンジンが皆そうであったように)エンジン本体よりも長かった。[[推力]]は30,610 lbf (136 kN)。可変式排気ノズルは2つの[[虹彩]]型の[[ノズル]]であった。エンジン出力に応じて変える事が出来た。[[超音速]]飛行時に[[衝撃波]]の影響の為、オリンパス 593のエンジンの[[サージング]]を誘発し破損を招くおそれがあった。そのため、可変式吸気口が設けられており、飛行速度に応じて変える事が出来た。吸気口で衝撃波が発生していても、流入空気は[[亜音速]]まで減速されエンジンに送られた。エンジンナセルのカバーが開閉する事により[[空気]]を取り入れ排気と混ぜて同時にエンジンの冷却も行う構造になっていた。これはTSR2でも同様の構造だった。<ref>[http://www.ausairpower.net/Profile-BAC-TSR.2.html Ausair power] Accessed 19 Feb 2007 </ref>
[[1966年]]、オリンパス593最初の可変排気装置の試験をフランスのMelun-Villarocheで行った。飛行試験は[[アブロ バルカン]]に懸架して行われた。バルカンの速度は[[マッハ数|マッハ]]0.98(1,200 km/h)でこの時の推力は35,190 lbf (157 kN)に達した。<ref>[http://www.thevulcancollection.co.uk/xa903oly593.htm Testing of Concorde's engine on a Vulcan]</ref>
オリンパス 593のエンジンのサージングを誘発し破損を招くおそれがあった。そのため、可変式吸気口が設けられており、飛行速度に応じて変える事が出来た。吸気口で衝撃波が発生していても、流入空気は亜音速まで減速されエンジンに送られた。エンジンナセルのカバーが開閉する事により空気を取り入れ排気と混ぜて同時にエンジンの冷却も行う構造になっていた。これはTSR2でも同様の構造だった。<ref>[http://www.ausairpower.net/Profile-BAC-TSR.2.html Ausair power] Accessed 19 Feb 2007 </ref>
1966年、オリンパス593最初の可変排気装置の試験をフランスのMelun-Villarocheで行った。飛行試験は[[アブロ バルカン]]に懸架して行われた。バルカンの速度はマッハ0.98(1,200 km/h)でこの時の推力は35,190 lbf (157 kN)に達した。<ref>[http://www.thevulcancollection.co.uk/xa903oly593.htm Testing of Concorde's engine on a Vulcan]</ref>
 
[[1967年]]4月にオリンパス 593は[[フランス]]のAndre Turcat高空模擬試験装置で試験された。[[1968年]]1月にはバルカン試験機での試験は100時間を記録して、可変排気口が組み込まれてコンコルド試作機の飛行準備が整った。
 
[[1969年]][[3月2日]]15時40分コンコルド試作機001は飛行した。主任テストパイロット[[André Edouard Turcat|Andre Turcat]]の操縦により1.4km滑走して時速380kmで離陸した。
 
== 諸元 ==
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== ロールス・ロイス オリンパス TM3B 船舶用ガスタービン ==
船舶用のオリンパスエンジンは改良されて[[イギリス海軍]][[フリゲート艦]]である[[14型フリゲート]]エクスマスに搭載されている。[[1966年]]から[[1968年]]に換装した同艦は西側の主要な艦船で初めて[[ガスタービンエンジン]]を使用した艦である。オリンパスは[[21型フリゲート]]や[[ブリストル (82型駆逐艦)|82型駆逐艦]]にも搭載されている。
 
ロールス・ロイス オリンパスを搭載する艦を以下に示す:
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** トゥルンマ級
* [[海上自衛隊]]
** [[はたかぜ型護衛艦]] &mdash; 2基、[[ロールス・ロイス スペイ|スペイ]]2基と併せ搭載
** [[はつゆき型護衛艦]] &mdash; 2基、巡航用タイン2基と併せ搭載
** [[いしかり (護衛艦)|いしかり型護衛艦]] &mdash; 1基、巡航用[[ディーゼルエンジン]]1基と併せ搭載
 
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