「ワンダーフォーゲル」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
39行目:
つまり、山岳部は自ら選ぶ行為から困難を引き出し、ある部分でリスクを冒してもその目的を達せようとする。いわばスリルのともなった冒険的行為を楽しもうとする。これに対して、ワンダーフォーゲルは登山(野外活動)を行う上で生じる避けられない困難を確実にクリアしていくことを楽しもうとする。この考え方は、登山であるために生じる日常生活とは別種のリスクを最小限にコントロールしうる利点がある反面、その活動が硬直化・形骸化しやすいデメリットもある。
 
しかし、先に述べた通り[[フリークライミング|クライミング]]や[[沢登り]]、[[トレッキング]]といった各種の登山様式の多様化にともない、その活動実態は一様ではなく、一概にワンダーフォーゲル部と称するだけで山岳部や各種の[[アウトドアサークル]]との差異を求められない場合も多い。極端な場合には、同一学内で山岳部が並存するにも関わらず、山岳部をはるか凌ぐより先鋭的な登山(海外での活動を含む)を行うワンダーフォゲル部も見受けられる。
 
また、登山合宿にともなう[[野営]]を単なる[[キャンプ]]と称するに抵抗感を持つ向きも多い。これはテントなどによる野営は、時に手段として[[ビバーク]]も辞さないとするなど、あくまで登山行為遂行の為の手段であって、それ以上の目的は少ないと考えられ、その点においてキャンプとは大きく趣を殊にすると考えられるからである。このようなストイックさ、また一部においては体育会所属であることを誇りとする傾向、などにおいて多くの山岳部などと共通する点も多い。ただし、単に野外・自然の中での活動を謳歌しようとするワンダーフォーゲル運動の原点から素直に導かれる思想と体育会的気質(思想)はある部分では相容れない。そのため一定のルールのもと他者と競う一般的な[[スポーツ]]競技とは異なる点を重視してとらえ、逆に[[体育会系]]であることをよしとしない考え方も一方には存在する。