「特性インピーダンス」の版間の差分

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'''特性インピーダンス'''(とくせいインピーダンス、[[:en:Characteristic impedance|characteristic impedance]] / surge impedance)は、一様な[[伝播媒体]]を用いて交流電気[[エネルギー]]を伝達するときに伝播媒体中に発生する[[電圧]]と[[電流]]、あるいは[[電界]]と[[磁界]]の比である。
一般には交流を伝送する[[分布伝送線路]]および電磁波の媒体 ([[真空]]及び[[誘電体]]) での概念であり、本項では前者について書かれている。
 
==分布定数線路の特性インピーダンス==
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: <math>Z_0=\sqrt{\frac{L}{C}}</math>
 
物理的次元および単位は抵抗やインピーダンスと同じに一致し、単位は[[オーム]](Ω)である。特性インピーダンスの逆数を[[特性アドミタンス]](単位[[ジーメンス]]:S)ということがある。
 
電気回路において、ある集中回路素子から分布伝送線路へ、あるいは分布伝送線路から集中回路素子へ電気エネルギーを伝達する場合、集中回路素子の[[インピーダンス]]と分布伝送線路の特性インピーダンスが異なるとエネルギーの一部が反射し、[[定在波]]の発生により効率低下、異常動作、故障の原因となる。このため、電気エネルギーの伝送のためには接続部においてインピーダンスあるいは特性インピーダンスを一致させる必要があり、このような操作は[[インピーダンス整合]]と呼ばれる。[[交流]]、特に[[高周波回路]]においては回路に挿入されるあらゆる分布伝送線路、集中回路素子、[[配線]]や[[コネクタ]]に至るまで接続点でのインピーダンス整合の工夫がなされている。
 
==電磁波の特性インピーダンス==
 
[[電磁波]]の特性インピーダンスは、真空を含む誘電体 (通常は大気等) における電磁波の伝播に関する概念である。電気回路における電圧と電流の比という電気インピーダンスの定義を電磁波に準用すれば、特性インピーダンスは[[電界]] <math>E</math>と[[磁界]]<math>H</math>の比となり、誘電体の[[誘電率]]と[[透磁率]]を<math>\epsilon</math>、<math>\mu</math>とすれば、特性インピーダンス<math>Z_0</math> は次式で示される。前提条件により負号が付くことがある。
 
: <math>Z_0 = \frac{E}{H} = \sqrt{\frac{\mu}{\epsilon}}</math>
 
物理的次元および単位はインピーダンスに一致し、単位は[[オーム]] (Ω) である。
 
真空 (<math>\mu_0 = 4 \pi \times 10^{-7} \mathrm{[H/m]}</math> , <math>\epsilon_0 = 1 / ( \mu_0 c^2 ) \mathrm{[F/m]}</math>) の特性インピーダンスは約120πΩ (約377Ω) であり大気でもほぼ同じである。強磁性体以外の物質の比透磁率はほぼ1である。誘電率は周波数 (波長) の関数であり一定ではなく、特に[[マイクロ波]]以下 ([[可視光]]を含む) の波長領域では大気の誘電率が大きく変化するため真空での値と同一視することはできない。
 
== 関連項目 ==