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=== 動作原理 ===
 
真核生物の鞭毛は、鞭毛それ自体が能動的に屈曲し、運動する能力を持つ。鞭毛の断面を[[電子顕微鏡]]で観察すると、9+2構造と呼ばれる[[微小管]]配置が観察される。鞭毛の中核を成すこの部分を'''[[軸糸]]'''(axoneme)と呼ぶ。この微小管の間には[[ダイニン]]という[[タンパク質]]分子モーターが存在する。ダイニンが[[アデノシン三リン酸|ATP]]を加水分解してエネルギーを取り出し、これが微小管(A小管とB小管)同士の滑り運動に変換されることで、鞭毛の屈曲が引き起こされると考えられている。
 
=== 鞭毛の構成要素とタンパク質 ===
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**[[ハプト藻]]類:板状構造(transitional plate)
*'''基底小体'''(basal body)
:鞭毛の根元の、細胞内に埋没した部分は鞭毛上部と構造が異なりこう呼ばれる。基底小体は周辺微小管が三連管(A小管、B小管、C小管)より成り、中心対微小管は存在しない。[[細胞分裂]]に関わる[[中心小体(centriole)]]と同じ構造であり、実際に'''微小管形成中心'''(MTOC; microtubule organizing cent)として機能するものもある。二個以上の基底小体を含む鞭毛装置では、その間を連結繊維と呼ばれる繊維構造が連結する場合が多い。
*'''鞭毛根'''(flagellar root):基底小体に付随する微小管や繊維の総称。細胞内における鞭毛の位置を固定する役割があると思われる。
**'''微小管性鞭毛根''':微小管で構成された鞭毛根。鞭毛装置から伸びた微小管性鞭毛根は、細胞全体に広がって骨格微小管を兼ねる場合や、捕食装置の一部として機能する場合もある。特に高密度に微小管が配列したものは結晶性鞭毛根と呼ばれる。