「無人砲艦ヴァルキリー」の版間の差分

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ヴァルキリーの備える唯一の武装は、大出力で収束性に優れた[[レーザー|レーザ]]主砲である。しかしヴァルキリーの圧倒的攻撃力の源泉はむしろその超長距離射撃管制システムである。第一次外惑星動乱当時の通常の艦艇が備えるセンサでは、レーザの照準が可能な限界は1,000km程度とされていた。これに対しヴァルキリーは10,000kmを遙かに超える長距離からの射撃が可能であるため、完全なアウトレンジからの攻撃が行える。これは着弾観測によるクローズドループ制御により可能になった。
 
ヴァルキリーによる長距離砲撃では、まず攻撃力のない1マイクロ秒の短時間照射を精密な射角制御の元に10マイクロ秒ごとに繰り返し、120点射単位ごとに赤外線による着弾観測を行う。目標の存在予測領域をカバーするように行われた斉射に命中弾があれば、彼我の距離と観測時刻からどの点射単位が命中したかが判明するので、その命中弾を放った方向を中心にさらに斉射を行う。多数の命中弾を得て目標の正確な位置と速度を把握したら、全力照射を行って目標を破壊する。
 
この射撃管制方式は、思想的に20世紀の[[ドレッドノート (戦艦)|ドレッドノート]]級戦艦に遡る。作中の登場人物による解説によると、ドレッドノートや以後の[[大和 (戦艦)|大和]]など[[超弩級戦艦]]では、長距離射撃の管制のために同一口径の多数の主砲による斉射を行い、着弾観測を行って射角を調整することで命中弾を得ていたという。ヴァルキリーの射撃管制も原理的にこれと似通っている。一方で着弾観測を妨げる煙幕などの光学的妨害に弱いという弱点も共通している。
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==劇中の活躍==
===砲戦距離一二、〇〇〇===
外惑星連合軍のヴァルキリーが初陣を飾る。ヴァルキリーはクロック以外の活動を完全に停止して小惑星に偽装していたが、輸送船団を護衛する警備艦に発見され、投射ミサイルによる攻撃を受ける。しかしその命中寸前に起動したヴァルキリーは、既破砕弾頭片が着弾するまでの数秒間に命中が予想されるすべての破片を主砲で蒸発させ、100Gもの爆発的加速で攻撃に転ずる。アウトレンジ砲戦システムにより2秒5555隻の輸送艦を破壊したヴァルキリーは、しかし警備艦クルーにはその射撃管制方式を見破られてしまう。警備艦は爆雷とエンジン噴射による即席の煙幕を張ることで、かろうじてヴァルキリーの攻撃をかわすことに成功する。
 
===襲撃艦ヴァルキリー===