「笏」の版間の差分

中国や日本において束帯を着用する際、右手に持つ細長い板
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2005年8月18日 (木) 11:55時点における版

(しゃく)とは、日本において束帯の着用の際、右手に持つ細長い板である。今日では束帯を日常的に着用するのは神職ぐらいであり、したがって笏も神職が持つ物となっている。

中国発祥のものであり、中国では官人が備忘として書きつけをするための板であったとされている。六世紀に中国から伝来し、日本では初めは、朝廷の公事を行うときに、備忘のため式次第を笏紙(しゃくがみ)という紙に書いて笏の裏に貼って用いていた。後に、重要な儀式や神事に際し、持つ人の威儀を正すために持つようになった。

笏には、象牙製の牙笏(げしゃく)と木製の木笏(もくしゃく)とがある。かつては五位以上の者は牙笏、六位以下は木笏と決まっていたが、後に位に関係なく礼服のときにのみ牙笏を用い、普段は木笏を用いるようになった。今日神職が用いているのは木笏である。

「笏」の本来の読みは「コツ」であるが、これを「シャク」と読むようになった理由には諸説ある。

  • 「コツ」が「骨」に通じて縁起が悪いので、これを忌んで「シャク」と読むようになった。
  • 柞(ははそ)の木で作るので、その音の「サク」が転じて「シャク」となった。
  • 笏の長さが1であることから「シャク」になった。