「表面伝導型電子放出素子ディスプレイ」の版間の差分

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電界放出ディスプレイ(FED)は[[ブラウン管]](CRT)と異なり各画素毎に電子放出部を持つ。通常のFEDではマイクロティップと呼ばれる先端を尖らせた電極とゲート電極との電位差によりマイクロティップ先端から電子を取り出す。これに対しSEDでは超微粒子膜により作ったナノオーダーのスリット間に電圧をかけ[[トンネル効果]]により電子を放出させる。そのため通常のFEDより低電圧で電子を取り出すことが可能である。放出された電子が[[蛍光体]]に衝突し[[蛍光]]を発することで画素を点灯させる。薄型で大型また自発光でインパルス型と原理的にはCRTと同じであるため、動画性能や暗部の階調表現力は[[液晶ディスプレイ|液晶]]よりも良いと言われている。液晶ディスプレイでは120Hz駆動化などの改良が進んでいるが、ms単位の液晶分子運動とµs単位の蛍光体を比較すれば当面動画性能の点では逆転されることはない。
 
蛍光体の部分は既存のCRTの技術がそのまま利用できるため、低コスト化を期待するむきもある。が、そのためにCRTを超える[[色域]]をそのままでは実現できない欠点が生まれている。これはバックライトのLED化、レーザー化によりさらに色域を拡張できる液晶ディスプレイや画素型[[プロジェクター]]に色域という画質の一要因で劣ることになる。長いCRT時代の改良を経たあとであるため、これ以上の蛍光体の改良は容易ではないが色域の拡大という市場の要請があれば不可能ではない。
 
欠点としてはCRT同様の焼きつきがある。CRTでは電子放出部が画面全体で単一であるため劣化ムラが無く焼きつき原因が[[蛍光体]]の劣化ムラのみであったが、FEDでは画素ごとの電子放出部の劣化ムラも焼きつきの原因となり得る。