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江口磐世☆ (会話 | 投稿記録)
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行軍とは部隊が次の目的地に向かって機動することであり、敵と接触するために機動する[[戦闘]]前機動(接敵機動)、戦闘における機動を戦闘機動(戦場機動)として、これは区別する。部隊を[[統制]]するために縦隊で行われることが多い。また行われる地域の危険度も、接敵の可能性がない段階、接敵の可能性がある段階、接敵の[[蓋然性]]がある段階、接敵する段階と上昇していくためにそれに応用した[[指揮 (軍事)|指揮]][[統率]]が必要であり、またその時間、距離、資源、地形、天候、障害、隊形、秘匿性などの要素が関係しているために、乗車行軍・降車行軍、[[縦隊]]・[[横隊]]などを応用して統制する。
 
=== 大日本帝国陸軍の場合 ===
大日本帝国陸軍の場合について述べれば、戦闘、宿営、演習その他の任務を帯びて目的地にむかい、隊伍を整えて行進することであるとも言える。
行軍を行うときは、指揮官は行軍序列を定め、諸隊の通過する道路の選定、できるだけ便利な多くの道路に分割併進させる処置、その他、出発時刻、休憩、歩度などを決定し、整斉し、渋滞なく行軍を実施させるため行軍部隊を定める。
 
行軍の種類は、敵と接触するおそれの有無によって旅次行軍と戦備行軍とに分け、急速に目的地に到着する必要のある場合は強行軍あるいは急行軍を行ない、必要に応じて夜行軍を実施する。
==== 行軍の種類 ====
旅次行軍は敵と接触するおそれのない普通の行軍の場合に実施し、軍隊の休養に重きを置き、できるだけ人馬の疲労あるいは故障の生じないことを旨とし、兵器の愛護に留意する。
行軍の種類は、敵と接触するおそれの有無によって(1)'''旅次行軍'''(2)'''戦備行軍'''とに分け、急速に目的地に到着する必要のある場合は(A)'''強行軍'''あるいは'''急行軍'''を行ない、必要に応じて(B)'''夜行軍'''を実施する。
 
(1) '''旅次行軍'''は敵と接触するおそれのない普通の行軍の場合に実施し、軍隊の休養に重きを置き、できるだけ人馬の疲労あるいは故障の生じないことを旨とし、兵器の愛護に留意する。
したがって、休憩回数を増やし、軽装をさせ、炎暑の候ではボタン、ホックその他をはずし、服装を緩解にし、砲車に砲身覆を掛け、銃に銃口蓋を装して、雨水の腔中への浸入、砂塵の機関部への侵入を防止するなどの処置を取る。
 
(2) '''戦備行軍'''は敵と接触するおそれのあるときに実施するから、武装を固め、警戒を厳にし、緊張して行軍を実施し、いつなんどき戦闘が開始されてもただちにこれに応じ得るよう周到な準備をする。
旅次行軍であれ戦備行軍であれ、情況によって日々の行程を増大して行軍を実施する必要のあるときは強行軍を実施する。
この場合は、行軍間の休日を廃し、あるいは休宿時間を減少し、要すれば昼夜兼行で行軍を継続する。
 
(A) '''急行軍'''は情況によって短時間で目的地に到着する必要のあるときに行ない、歩度を増加し、または休憩の回数、時間を減少、短縮して行進するのが例である。
この場合、服装を軽易にし、鉄道、自動車その他の車両を利用することができればおおいに有利である。
 
(B) '''夜行軍'''は敵に対して、特に行動および企図を秘匿する必要のある場合、軍隊の移動が急を要し払暁を待ついとまのない場合、夏期昼間の炎熱を避けて強行軍を実施する必要のある場合などに行なう。
 
==== 行軍の速度 ====
行軍の速度は部隊の大小、種類および状態、道路の情況、天候、明暗の度、季節、戦術上の要求などによっておのずから異なるが、普通の情況においては、次の標準による。