「金融工学」の版間の差分

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金融工学は新しい学問領域であるといわれる。これは金融工学が[[1950年代]]以降、[[経済学]]・[[会計学]]・[[工学]]・[[数学]]など様々な学問領域と接点を持ちながら形成されてきたためである。金融工学の中でも画期的な研究としては、1950年代に[[ハリー・マーコウィッツ]]が示した[[現代ポートフォリオ理論]]や、[[1970年代]]に[[フィッシャー・ブラック]]や[[マイロン・ショールズ]]らによる[[デリバティブ]]の価格理論、Harrison,Kreps,Pliskaらによる確率同値における無裁定性と均衡などが有名である。
 
金融工学における[[プライシング理論]]は、[[一物一価]]の考え方に基づくところである。経済学での議論における[[需要]]と[[供給]]の関係において[[アロー・ドブリュー証券]]の仮定を置くことにより、同時点での将来価値が同値な[[財]]は同じ現在価値を持つ、という前提を組み立てる。たとえば、株のコール[[オプション]]と[[債券]]と[[株式]]を保有している投資家は、'''[[ポートフォリオ_(金融)|ポートフォリオ]]'''の組み合わせによって、瞬間的に[[超過収益]]を得ることができない。この関係から、3者の価格においては均衡式を得ることができるのである。金融工学の理論は、金融実務と密接に結びついており、金融工学理論から得られた算式は[[プライシング]]・[[リスク管理]]・[[会計]]の実務でも広く用いられており、金融工学の発展の背後には、金融実務への適用がある。
 
しかし、[[2008年]]現在、米国の[[サブプライムローン]][[金融危機]]の元凶は、金融工学による過剰な信用付け[[証券化]]商品の破綻によるものではないかと疑われており、金融工学のイメージは悪化している。今後金融工学が学問領域として適切に発展するかどうかは、関係者の真摯な努力にかかっている。
 
==産業での利用==