「政治学大綱」の版間の差分

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== 概要 ==
[[1893年]]に[[イギリス]]で生まれたラスキは[[第二次世界大戦]]後に[[労働党 (イギリス)|労働党]]で政党活動に従事しながらも政治学の著作で当時の政治思想に影響を与えた政治学者であった。第一次世界大戦中に一時的にアメリカの[[ハーバード大学]]の講師を勤め、イギリスに帰国してから[[労働党]]の首脳部で政治活動を行い、本書『政治学大綱』はそのような政治の実践の途上で発表された著作である。
 
この著作でラスキは[[国家]]の目的を大衆が社会善を最大限に実現できることと捉えており、ここでの社会善は共同体で生活するために必要な社会性を伴う理性的な[[人間]]の[[欲求]]である。したがって極端な利己的欲求の衝動は国家の目的に含まれることはないものと考えられていた。その上でそれまでの政治学の理論体系を踏まえて国家を[[社会]]と別の概念として対置する枠組みを示した上で、[[ルソー]]や[[ヘーゲル]]などの国家論の前提にある共同体の一般意志というものの存在を否定した。なぜならそのような共同体が共有する意志というものは結果的に個々人の[[自由]]を破壊する強制の表現に他ならないからである。