「測度論」の版間の差分

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HATA A. K. (会話 | 投稿記録)
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ある目的においては、"測度" のとる値を非負の実数あるいは無限大に制限しないものも有用である. たとえば, 可算加法的な集合関数で負符号も許す実数に値をとるものは ''符号付測度''と呼ばれる。同様の関数で[[複素数]]に値をとるものは''複素測度''と呼ばれる。 [[バナッハ空間]]に値をとる測度は'''スペクトル測度''' (spectral measure) と呼ばれ、主に[[関数解析学]]において[[スペクトル定理]] (spectral theorem) などに用いられる。 これらの一般化した測度との区別のため、通常の測度を "正値測度" と呼ぶことがある。
 
ほかの一般化として'''有限加法的測度'''(premeasure)がある。これは、完全加法性の代わりに有限加法性を課すことを除けば測度と同じである。歴史的には、こちらの定義の方が先に使われていたが、あまり有用では無いことが証明された。
 
[[ハドヴィガーの定理]] (Hadwiger's theorem) として知られる[[積分幾何学]]における注目すべき結果によると、'''R'''<sup>''n''</sup> のコンパクト[[凸集合]]の有限和の上で定義された平行移動不変,有限加法的で,必ずしも非負ではない集合関数のなす空間は、(スカラー倍の違いを除き)各 ''k'' = 0, 1, 2, ..., ''n'' に対して「次数 ''k'' の斉次な」測度とそれらの測度の線型結合からなる。「次数 ''k'' の斉次な」とは、任意の集合は ''c'' > 0 倍すると測度が ''c''<sup>''k''</sup> 倍になるということである。次数 ''n'' の斉次な測度は通常の ''n'' 次元体積であり、次数 ''n'' - 1 の斉次な測度は「表面積」である。次数 1 の斉次な測度は「平均幅」という誤称をもつ不思議な関数である。次数 0 の斉次な測度は[[オイラー標数]]である。