「当事者主義」の版間の差分

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=== 日本の刑事訴訟 ===
[[刑事訴訟]]における当事者主義とは訴訟追行の主導権(審判対象の設定、[[証拠]]の提出)を当事者([[被告人]]、[[弁護人]]、[[検察官]])に委ねる建前をいう。なお民事訴訟において見られるような当事者主義は修正され、刑事の場合には徹底されているとはいえない。
 
現行[[刑事訴訟法]]は、[[適正手続の保障]]に重きを置いているといわれる。この発想からは、職権主義を広く認め、裁判官が積極的に主導的役割を担うのであれば、自ら証拠を収集し事実を追求する者が、同じく判断者を兼ねることとなり、自己の追求した線に沿った判断をしてしまう危険も否めないと考えることとなる。これを避けるためには、むしろ当事者に証拠を収集・主張立証させ、裁判所は公平中立な判断者に徹する方が誤りのない判断を下すことができることとなる。
 
しかし、刑事訴訟の一方当事者は捜査権限を有する国家機関たる検察官であって、他方当事者は被告人と私人たる弁護人に過ぎないことからすれば、単なる当事者主義をそのまま貫いた場合には、真実の発見ないしは実体的正義の実現に困難をきたすことが容易に予測される。また、刑事裁判において追求されるべき真実は、民事裁判におけるいわば当事者間の間での形式的真実にとどまらず、客観的・実質的な真実であることからすれば、裁判所が直接、捜査ないしは証拠の確保を図るべく規定が[[刑事訴訟法]]には用意されている。
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英国法の国において当事者主義はAdversarialSystem(対抗主義あるいは対審構造)と呼ばれ日本などを含めたローマ法の制度はInquisitionalSystem(弾劾主義)と呼ばれる。<ref>adversary system
当事者対抗主義; 論争主義; 対審構造
□対立する両当事者がそれぞれ自己に有利な法律上・事実上の主張および証拠を出し合い, これに基づいて中立の第三者が決定するやりかた. 民事および刑事の訴訟手続のほか広く行政手続等でも採用される. 裁判における手続だけでなく, 相互に違う立場から意見を述べあうなかから真実を発見し, または正しい結論を生み出そうとする方法一般をいう場合もある (→accusatory procedure).  *inquisitorial system
英米法辞典、東京大学出版局</ref>要約すると英国法では裁判官は弁護側と検察側の対決が公正になるようにする審判にしか過ぎず、その結果として第三者である陪審員により公正な判決が下される制度である。
 
== 脚注 ==
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== 関連項目 ==
* [[当事者適格]] 
* [[自由心証主義]]
* [[法用語一覧]]
 
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