「親子の対立」の版間の差分
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人間における重要な親子間対立の例は[[デイビッド・ヘイグ]](Haig 1993)の妊娠中の遺伝的対立の研究で提示された。ヘイグは、[[胎児]]の遺伝子は「母親が胎児に与える栄養の”母親にとって”の最適量」よりも多くの栄養を引き出すよう[[自然選択|選択]]を受ける(すなわちより多く栄養を引き出す対立遺伝子はそうでない対立遺伝子よりも割合が増す)と主張し、この仮説には経験的な証拠の支持を受けている。例えば[[胎盤]]は母親の[[インスリン]]感受性を減少させ、allocrineホルモンを分泌する。それによって胎児が利用できる[[血糖]]の量を増加させる。母親は血中のインスリン濃度を上昇させることで対抗する。この影響を打ち消すために胎盤はインスリン分解酵素の生産を刺激するインスリン受容体を持っている<ref>[[デイビッド・ヘイグ|Haig, D.]] (1993) "Genetic conflicts in human pregnancy", ''Quart. Rev. Biol.'', '''68''', p. 495–532.</ref>。
およそ30%の胎児は出産まで到達せず(22%は臨床上の妊娠に達しない)<ref>Wilcox, A.J., Weinberg, C.R., O'Connor, J.F., Baird, D.D., Schlatterer, J.P., Canfield, R.E., Armstrong, E.G. and Nisula, B.C. (1988) "Incidence of early loss of pregnancy", ''
はじめは妊娠の持続は母親の[[黄体ホルモン]]によってコントロールされる。しかし妊娠後期には母親の黄体ホルモンの分泌を引き起こす、母胎の血中に放出される[[ヒト絨毛性ゴナドトロピン]]によってコントロールされる。これはまた母親にとっての最適量よりも多くの血液の供給を求める胎児のために、胎盤への血液の供給を巡る対立も引き起こす(高い出生時体重はそれだけで母親にとっての危険因である)。これは高血圧症を引き起こす。この出生時体重ははっきりと母親の血圧と相関している。
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