「ネクロノミコン」の版間の差分
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{{otheruses|架空の書物|フェアリーテールから1994年に発売されたアダルトゲーム|フェアリーテール (ブランド)|カゼから1996年に発売されたピンボールゲーム|デジタルピンボール}}
[[Image:Necronomicon_prop.jpg|thumb|right|225px|ラヴクラフトファンによる再現]]
'''ネクロノミコン'''({{lang|en|'''Necronomicon'''}})は、怪奇作家[[ハワード・フィリップス・ラヴクラフト]]の一連の作品に登場する架空の書物である。ラヴクラフトが創造した[[クトゥルフ神話]]の中で重要なアイテムとして登場し、クトゥルフ神話を書き継いだ他の作家たちも自作の中に登場させ、この書物の遍歴を追加している。
{{ネタバレ}}
==概要 ==
アラビア人「[[アブドル・アルハズラット]]」(アブドゥル・アルハザードや、アブド・アル=アズラットと記される場合もある)が著わしたとされる架空の[[魔道書]]。複雑多岐にわたる魔道の奥義が記されているとされ、それ故か魔道書そのものに邪悪な生命が宿ることもあるという。『[[チャールズ・ウォードの奇怪な事件]]』ではジョセフ・カーウィンが(『イスラムの琴([[カーヌーン]])』の偽題で)所有し、「時を越え」たり「地下の大軍を出現させ」たりする準備をなした。カーウィンの所有した魔道書は襲撃によって失われたはずであったが、なぜか現代に舞い戻る。また、『ダニッチの怪』では、不完全な英語版が異世界からの怪物を召喚させるために用いられ、逆にそれを撃滅するためにも用いられた。
ラヴクラフトは、[[イブン・アスィール]]の『完史』の西欧語タイトル「クロニコン」<ref group="注">19世紀後半にライデンからトルンベリの校訂になる ''Chronicon, quod perfectissimum dicitur'' が公刊された。</ref>から着想を得ていたとされている。ラヴクラフトがこの魔道書の起源をアラビアとしたのは、ヨーロッパでは[[ローマ帝国]]崩壊後に失われてしまった[[古代ギリシア]]の知識がアラビアに伝わって保存され、発展し、[[アラビア科学]]として[[ルネサンス]]期にヨーロッパに逆輸入された歴史的事実を踏まえたものと思料される。かくして失われた古代の知識という雰囲気を作り出すための道具立てとなった。架空の書物であり、本来はクトゥルフシリーズの中でのみ語られてきた存在であったが、現代においては魔道書物の代名詞的存在として様々なメディアでその名前を目にすることができる。
== 来歴 ==
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|pages=311-322頁
|chapter=資料:『ネクロノミコン』の歴史
}}</ref>。「ネクロノミコン」の表題は[[ギリシャ語]]への翻訳の際に与えられたもので、ギリシャ語の
|last=Lovecraft
|first=Howard P
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*1600年頃 ラテン語版をもとに[[スペイン語]]に翻訳される。
以上がネクロノミコンについてラヴクラフトが作中で記した来歴であり、多くの作品中で事実とされている歴史であるが、これとは別のルートで[[元代]]に[[中国]]へ伝来し、[[中国語]]版が作成されたという「噂」もある。この中国版は『尸条書』(Shi Tiao Shu)という表題らしいが存在は確認されていない、ということになっている。
== ネクロノミコンの再現 ==
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1973年には、アウルズウィック・プレスが贋作と明言した上で『アル・アジフ』を出版。これは全ページをアラビア風文字(?)の無意味な羅列で埋め尽くしただけのもので、コレクターズアイテム以上のものではなかった。
1978年
それまでに出版された『ネクロノミコン』に不満を感じていたドナルド・タイスンは、2004年に『ネクロノミコン アルハザードの放浪』を出版。ラヴクラフトが作中において『ネクロノミコン』からの引用として記述した文章を全て盛り込み、より設定に忠実な再現を試みている。
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== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
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