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「肝要である」とか具体的は説明とかは不要。Wikipediaはマニュアルではない。
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<ref name="copeland">Pala Copeland and Al Link, ''[http://books.google.com/books?id=HKupErbQO4QC Voluntary Ejaculation and Male Multiple Orgasms]'', Universal Publishers, 2001</ref>
<ref name="urban">Hugh B. Urban, ''[http://books.google.com/books?id=mmfkUb5whvgC Tantra: Sex, Secrecy, Politics, and Power in the Study of Religion]'', University of California Press, 2003</ref>
 
以下の節でそれぞれについて詳しく述べる。
 
== 性機能障害で起きるドライオーガズム ==
一般的な[[性行為]]においてオーガズムの際に射精が起きない場合は、何らかの[[性機能障害]]である可能性がある。<ref name="mayo">Mayo Clinic ''[http://www.mayoclinic.com/health/mens-health/AN00630 Dry orgasm: What causes orgasm without ejaculation?]''</ref>
例えば、糖尿病や前立腺障害([[前立腺癌]]、[[前立腺肥大症]]、手術の後遺症や薬の副作用)、射精神経の異常、(副)[[交感神経系]]の障害、[[多発性硬化症]]によって精液がペニスではなく膀胱へ逆行する場合がある([[逆行性射精]])。また[[前立腺]]や[[膀胱]]を手術により除去した場合にも起こる。さらに[[前立腺癌]]治療の為などで[[骨盤内臓神経]]に近い部位の[[放射線療法]]を施した場合にも起こりうる。
 
もし通常の性行為でドライオーガズムとなった場合や、痛みを伴う場合は泌尿器科医に相談すべきである。もし、[[不妊]]が問題であって[[逆行性射精]]がドライオーガズムの原因であれば、オーガズムの後に尿から精液を採取して[[人工受精]]を施す事も可能である。
 
===ドライオーガズム・ピル ===
射精のメカニズムを利用した男性用避妊薬の開発が進んでいる。[[精管]]を構成する平滑筋の動きを阻害することにより、精子が[[睾丸]]から[[精管膨大部]]まで達するのを防ぐ。英国のロンドン大学の研究者により開発され、商品化が進められている<ref name="amobi">Amobi, NI, IP Chung and IC Smith (2006) “Attenuation of contractility in rat epididymal vas deferens by Rho kinase inhibitors.” Autononmic & Autacoid Pharmacology 26(2):169-81.</ref>。ただ、この場合は精液の7割を占める精嚢分泌液や3割を占める前立腺液の分泌は阻害されないので射精自体は起こる。従ってドライオーガズム・ピルという名前は適切ではないかもしれない。
 
== 健常男性のドライオーガズム ==
多くの男性は少年期から自ら[[陰茎|ペニス]]を刺激して射精に至ることで快感を得るという、いわゆるペニスオナニーの経験を積んでいること、また通常の性行為においては射精することで性行為を終えるという慣習が広く行き渡っている為に、男性が性的刺激を受け続けると通常は射精に至ってオーガズムを迎えるが、[[前立腺]]刺激等によって、健常男性が射精を伴わないドライオーガズムに達することができる。<ref name="carrellas">Barbara Carrellas, ''[http://books.google.com/books?id=ei786nhEODkC Urban Tantra: Sacred Sex for the Twenty-First Century, Celestial Arts]'', 2007</ref>
<ref name=queen>ドリー・クイーン、''[http://dryorgasm.info 狂乱のドライオーガズム]''、2006年</ref>
 
[[前立腺]]は現代医学においてはその機能が未だ良く理解されていない器官であるが、[[タントラ]]哲学においては前立腺は「聖なる場所」としてセックスの感情中枢であると考えられ、前立腺をマッサージすることにより心理的および肉体的ストレスを開放できると言われている。前立腺とペニスの両方を同時にマッサージされるのは男性にとっては至上の快楽であると同時に、心と肉体が同時に癒されるのである。
 
前立腺をマッサージする為の最も効果的な方法はアヌスから指を入れて直腸壁を通して前立腺を刺激することであるが、多くの男性にとってはアヌスに指を挿入されることはかなり抵抗のあることである。しかしながら、その効果は大きく、得られる快楽は凄まじいものである。
 
いずれの方法を用いるにせよ予め下腹部やペニスのマッサージ等である程度性的興奮を高めておく事が肝要である。<ref name="lotus"> ''[http://www.whitelotuseast.com/ Welcome to our world of Tantric Bliss...]'' White Lotus East</ref>とくに初心者においては性的興奮が高まらないと前立腺や会陰部で快感を得ることが難しい場合がある。しかしながら興奮が高まり、前立腺や会陰部刺激の快感が高まってきたらペニスへの刺激は止めないと射精を誘発してしまう。またパートナーにマッサージしてもらう場合(或いはする場合)は常に相手の目を見つめる事が大切である。
 
以下、代表的な方法について詳述する。
 
=== 前立腺マッサージ ===
==== 基本のテクニック ====
<ref name="carrellas"/><ref name=queen/><ref name="lotus"/>
 
[[Image:Prostatelead.jpg|350px|thumb|前立腺]]
前立腺 (prostate) は[[アヌス]]から4-5 cm入ったところの[[直腸]] (rectum) の腹側内壁にある。自分で刺激する場合も、パートナーに刺激してもらう場合も、直腸を傷つけない為に[[手袋#医療用手袋|メディカルグローブ]]をはめることが推奨される。
 
パートナーに刺激してもらう場合は仰向けになって背中にクッションを置くなどして上半身を少し起こし、軽く開脚して膝を曲げる。パートナーは両脚の間に入り、左手でペニスを刺激しながらメディカルグローブを嵌めた右手をアヌスに挿入する。お互いに目を見詰め合うことが大事である。或いは、四つん這いになって肘を曲げ、顔を床につけてお尻を高く掲げる体位も、受身の自分をパートナーに晒すという意味で快感を高める効果がある。
 
自分で刺激する場合は、仰向けに寝て軽く開脚し膝を曲げる姿勢が楽である。背中にクッションを置くなどして上半身を起こし、指がアヌスに届きやすくすると長時間この姿勢を保つことができる。浅めのバスタブに横たわって両脚をバスタブの縁に掛けてもよい。
 
自分でする場合もパートナーにマッサージしてもらう場合も、まず胸、腹部、太腿、下腹部、そしてペニス等を十分愛撫することで性的興奮を十分に高める。そして次にアヌスの外側に軽く指を触れて愛撫を繰り返す。アヌスは非常に強い性感帯なので、さらに性的興奮が高まる。
 
いよいよ[[大人のおもちゃ#ローション|ローション]]や[[乳液|クリーム]]をたっぷりと指に取り、まずは[[肛門|アヌス]]の外側をマッサージしたあと、徐々に指をアヌスに挿入する。初心者の場合は人差し指から始め、十分に慣れたら中指を挿入する。常にローションを補給し、アヌスに痛みを感じたらすぐに指を戻す。
 
中指が第二関節まで入ったら、そのままでしばらくアヌスを慣らす。アヌスに違和感がある間は前立腺快感を得る事はできない。十分にアヌスが指に順応したら中指を臍の方へ少し曲げると10円硬貨大ほどの少し硬い部位がある。その辺りをゆっくりと指で押さると、疼痛を感じるところがあるが、それが前立腺である。ゆっくりと息を吸いながらそこを押さえ、息を吐きながら圧を緩めるということをくりかえしているうちに、だんだんと今まで味わったことのない快い感覚がこみ上げてくる。最初は快感かどうかも分からない不思議な感覚である。人によっては何とも言えない幸福感がまず来て、そして泣き出すこともある。この感覚は人によって異なるが、それが不快でない限り刺激を続けて徐々に[[前立腺]]感覚を覚えることが肝要である。
 
そのうちに徐々に感覚が薄れてきたら無理に続けずに刺激を止める。いきなりオーガズムに達することは殆ど無いが、重要なのは[[前立腺]]刺激による不思議な快感を味わうことである。一度[[前立腺]]の快感を覚えたら、繰り返し刺激をしてみること。射精をしないので、2・3分間も休憩すればまた快感が生じる。
 
しかしながら数回も続けると疲れて感じなくなるので、続きは翌日にすることにして十分に休息をとる。体調が良くないとドライオーガズムには至らない。毎日する必要は無いが、気分の良い日にはできるだけ試みること。だんだんと快感が大きくなって叫び声が出たりすることがある。
 
ドライオーガズムが近づくと呼吸が浅くなりがちであるが、努めて深呼吸を続けると、アヌスの奥深く或いは腰部全体の快感が強まり、腰部から太腿にかけて筋肉が痙攣したり、両脚が伸びて硬直したり、叫び声を上げたりして絶頂に達する。ドライオーガズムに達した後も前立腺刺激を続けると、次から次へと何度もドライオーガズムに至る。
 
==== 前立腺刺激器具 ====
自分の指で長時間に渡って前立腺を刺激することは、かなり身体の柔らかい人でないと難しいので、[[Gスポット]]刺激用の[[張形#性具として|ディルド]]などを用いると、簡単に楽な体勢で前立腺を刺激することができる。また[[肛門括約筋]]の収縮により前立腺を刺激する、[[エネマグラ]]という前立腺刺激具を使うと、手で触れずに前立腺刺激を行うことができる。また弱い電流を前立腺に流してドライオーガズムを誘発する器具も何種類か市販されている。
 
また、直腸から前立腺を刺激する方法とは別に、「[[前立腺初期化]]」と呼ばれる尿道から前立腺を刺激する方法がある。前立腺は[[膀胱]]直下の[[尿道]]を取り囲んでいるので、尿道に[[カテーテル]]などの細長い弾性体を挿入すると、尿道を介して前立腺を刺激することができる。但し、この方法は尿道を傷つける恐れがあり、また手指、ペニスおよび[[カテーテル]]の消毒が不完全であると尿道炎や膀胱炎などの細菌感染を起こすので、危険性を十分に理解した上で行わなければならない。
 
=== エネマグラによる前立腺刺激 ===
[[エネマグラ]]は米国で開発された前立腺マッサージ器具だが、前立腺を刺激することで比較的容易にドライオーガズムを得られることが分かり、今では前立腺オナニー器具として広く知られるようになった。肛門括約筋の運動により、前立腺、アヌスそして会陰部の3箇所を同時に刺激してドライオーガズムに至ることができる。
<ref name=queen/>
<ref name=kurosawa>クーロン黒沢、ポッチン下条 『エネマグラ教典―ドライ・オーガズム完全マニュアル』太田出版、2004年</ref>
 
==== 準備 ====
直腸にエネマグラを挿入するので、直腸内に大便があるとエネマグラに大便が付着する場合がある。便意のあるときには排便するか或いは浣腸した方が良い。浣腸液としては100cc程度の微温湯で十分で、排泄液がほぼ透明になるまで数回繰り返すと直腸内の大便はほぼ無くなる。便意の無い時は直腸内は空なので浣腸する必要はない。また前立腺を刺激することにより尿意を催すことがあるので、あらかじめ排尿しておく方が良い。
 
==== アナルマッサージと肛門括約筋を動かす練習 ====
# 以下の記述では右利きの方の場合の標準的な体位で説明する。左利きの場合は左右を逆にすること。全裸でベッドに左を向いて横臥し、左脚をほぼ真っ直ぐに伸ばし、右膝を胸のほうへ引き上げて直角に曲げ、右膝をベッドに着ける。自然に臀部は斜め上方を向く。左手は枕をつかみ、声が出そうになった時にすぐに顔を埋められるように用意する。もし寒ければ腰から背中にバスタオル等をかける。
# アナルマッサージは、アナルオナニー或いはアナルセックスの経験の無い場合は特に重要である。エネマグラは前立腺と会陰部に加えてアヌスをも同時に刺激するので、アナル感覚を磨くことはドライオーガズムに至るためには大切である。直腸の奥までは指は挿入しないので、メディカルグローブを嵌める必要はないが、爪は短く切ること。右手の人差し指か中指にジェル(ローション)をタップリと付け、アヌスにジェルを塗り付ける。アヌスの力を抜き、 円を描くように周囲からやさしく愛撫する。アヌスに指を挿入したくなるまで十分に愛撫し、指を入れたくなったらアヌスを開き、指をゆっくりと挿入していく。アヌスを開くのは排便をする時の要領である。指を少し入れては戻して十分にジェルを塗りこめるように。アヌスに痛みを感じたら戻すこと。無理は絶対に禁物である。第一関節(一番指先よりの関節)位まで挿入すると、アヌスの窮屈なところが指を締め付けるのが分かる。 ゆっくりと前後に動かしたり回したりしながら、アヌスが十分指に馴染んで違和感を覚えなくなるまでマッサージをする。人差し指から始めた場合は、アヌスが人差し指の太さに慣れたら、少し太くて長い中指と交代させる。第一関節より先には指を挿入する必要はないが、もし入れたくなったらさらに指を進めて根元まで挿入してもよい。
# エネマグラを動かすのはアヌスを開閉する肛門括約筋であり、排便時には無意識に動かしているが、意識的に自由に動かす為には少し練習が必要である。アヌスに指を挿入したまま肛門括約筋を動かすことにより、アヌスの動きを指で感じ取りながら練習するとコツが掴みやすい。まず、アヌスに指を入れたまま排便をする要領でアヌスを開く。指が少し押し出されるようなら肛門括約筋の動かし方は正しい。次に、指は入れたままで今度はアヌスを締め付けてみる。指が引きずり込まれるようなら正しい動きである。アヌスを開いたり、締め付けたりを何度も繰り返し、自由に肛門括約筋を動かせるように練習する。
# 呼吸法はドライオーガズムを得る為には非常に大切である。次に、肛門括約筋の運動と呼吸法を連動させる練習を行う。アヌスには指を挿入したまま、ゆっくりと息を吐きながらアヌスを開く。1から8まで数を数えながらゆっくりと息を吐き、徐々にアヌスを開く。アヌスが正しく開いているか指で感じとること。次には、ゆっくりと息を吸いながらアヌスを締め付ける。1から8まで数を数えながらゆっくりと息を吸い、アヌスを締め付ける。指が引きずり込まれたならアヌスの動きは正しい。何度か繰り返して、アヌスの運動と呼吸が自然に連動するように練習する。慣れてきたら息を吸う時に、指が食い千切られそうになる程に強くアヌスを締め付けてみる。
# 三分の一の締め付けは、エネマグラでドライオーガズムに達する時の最後の重要な動きである。ゆっくりと息を吸いながらアヌスを最大の三分の一か半分程度の強さで締め付けてそのままで保持する。締め付けの強さは指で感じ取ること。呼吸は止めずにゆっくりと続ける。中途半端にアヌスを締め付けてじっと保持するのはとても難しく、アヌスがヒクヒクしはじめるが我慢する。限界が来て思いっきり締め付けたくなったら逆にアヌスを緩める。そして再びゆっくりと息を吸いながら三分の一か半分程度の締め付けを行いそこで止める。すぐにアヌスがヒクヒクしはじめ、思いっきり締め付けたくなるまで我慢して、最後にアヌスを緩める。このサイクルを何度も繰り返す。次第に喘ぎ声が出たり体が悶えたりすることもある。そしてどうにも我慢が出来なくなったらアヌスを思いっきり締め付けても構わない。アヌスが敏感な場合はこの運動だけでドライオーガズムに達することもある。
 
==== エネマグラの挿入 ====
# 左手でエネマグラの根元を持ち、右手の指をゆっくりとアヌスから抜いて、まずは指についたジェルをエネマグラに塗り付ける。今からアヌスに挿入するエネマグラをじっと見つめながら、愛撫するようにジェルを塗りつける(気持ちを高めることはドライオーガズムに至る為にはとても大切である)。さらに右手でジェルのチューブをにぎって、エネマグラの頭部から上半分にジェルをタップリと絞りだす。チューブを置いて再び指でジェルをエネマグラ全体に伸ばす。エネマグラを見つめながら満遍なくジェルを塗りこめる。
# エネマグラに十分ジェルを塗りつけたら、いよいよアヌスへ挿入する。まず、既にベトベトになっている右手の指をもう一度アヌスに挿入し、軽くアヌスを開いたり閉じたりして肛門括約筋の準備運動を行う。指を抜いて残ったジェルを臀部や太腿にこすり付け、いよいよ右手でエネマグラの根元を保持する。そしてゆっくりと臀部の方からエネマグラの頭部をアヌスへ向け、アヌスを大きく開いてエネマグラをアヌスの中心に触れさせる。
# エネマグラ頭部がアヌスの中心に当ったら、ひんやりしたジェルで思わずアヌスを締め付けたくなるが、ぐっと我慢してアヌスを開き、ゆっくりとエネマグラを挿入していく。エネマグラは指よりも随分太いので、最初はアヌスがきつく感じるが、ゆっくりと押し込んでいけばアヌスは徐々に開いてエネマグラを飲み込んでいく。一番太いところが通過すると、後はスルリと奥まで入ってしまう。アバットメント(前脚部)が会陰部の中心からずれている場合には、エネマグラを少し回転させて位置を修正する。会陰部が汗やジェルで濡れていたり、或いは押し付ける力が強すぎる場合には、アバットメントと会陰部の間にティッシュ等を畳んで挟む。
 
==== ドライオーガズムへ ====
# 特に初心者はエネマグラがアヌスに十分馴染むまではアヌスを締め付けずに、10分間か20分間ゆっくりと深呼吸だけを行う。1から8まで数を数えながら息を吸って、次に1から4まで数を数える間は息を止めて、そして次に1から8まで数を数えながら息を吐く。その間、アヌスや前立腺辺りに気を集中する。
# エネマグラが十分アヌスになじんだらいよいよアヌスの締め付けを開始する。先ほどと同じようにゆっくりと息を吸いながら(1から8まで数を数える)アヌスをゆっくりと締め付けていく。エネマグラが引きずり込まれ、頭部が前立腺を押さえつける。じわりとした快感が起きる場合もあるが、最初は何も感じないことも多い。吸い終わったらしばらく止めて今度はゆっくり息を吐く。1から8まで数を数えながら、アヌスを緩め、そして開いていく。これを20回から30回繰り返す。大事なのはゆっくりと深い呼吸、そしてアヌスと前立腺に気を集中することである。気持ちが高ぶってきたら、空いている右手で太腿、腰、臀部、そして乳首や乳房を愛撫する。
# いよいよフィニッシュの三分の一の締め付けである。ゆっくりと息を吸いながらアヌスを最大の三分の一か半分程度の強さで締め付けてそのままで保持する。先ほどの指の代わりにエネマグラの細い根元があるだけなのでコントロールはより一層難しいが、それが余計にアヌス快感をもたらす。呼吸は止めずにゆっくりと続ける。中途半端にアヌスを締め付けてじっと保持するのはとても難しく、アヌスがヒクヒクしだすがグッと我慢する。アヌスのヒクヒクとした動きによりエネマグラの頭部が前立腺を軽く刺激しているはずである。我慢の限界が来て思いっきり締め付けたくなったら逆にアヌスを緩める。すぐにまた締め付けたくなるので、再びゆっくりと息を吸いながら三分の一か半分程度の締め付けを行いそこで止める。またもアヌスがヒクヒクしだし、思いっきり締め付けたくなるまでグッと我慢して、最後にアヌスを緩める。このサイクルを何度も繰り返すと、次第に喘ぎ声が出たり体が悶えたりする。そしてどうにも我慢が出来なくなってアヌスを思いっきり締め付けると、エネマグラが前立腺を押し付け、強烈な快感を体にもたらし、時には体全体が硬直したり痙攣したり咆哮を上げながらオーガズムに達する。
# 一旦オーガズムに達すると、後は体の反応するままに任せること。体力の続く限り、オーガズムは何度も何度も訪れ、その度に咆哮し、最後には泣き叫びながら最大の絶頂に達する。これが「マルチプルオーガズム」である。
# 使用後のエネマグラは微温湯で石鹸をつけて洗い、タオルで拭いて乾燥させて保存すること。アヌスの周囲にもジェルが付いているので、シャワーを浴びることを勧める。直腸洗浄の必要はない。
 
=== 会陰部刺激 ===
[[image:Perineum muscles.jpg|thumb|right|会陰部の位置。男性における会陰部はペニスからアヌスにかけてを指す。]]
男性の[[会陰]]部は[[睾丸]]とアヌスの間の部分であり、前立腺の図から明らかなように、会陰部を押さえることで間接的に前立腺を刺激することができる。
 
====体位====
体位は自由であるが、仰向きに寝て膝を直角程度に曲げて脚を大きく開いた姿勢がやりやすい。パートナーは両脚の間に入り、左手でペニスを刺激しながら会陰部に口付けをしたり、或いは右手で会陰部をマッサージする。お互いに目を見詰め合うことが大事である。或いは、四つん這いになって肘を曲げ、顔を床につけてお尻を高く掲げる体位も、受身の自分をパートナーに晒すという意味で快感を高める効果がある。
 
自分でする場合も仰向きに寝て膝を直角程度に曲げて脚を大きく開いた体位がやりやすい。右利きの場合、右腕をペニスを超えて伸ばし、右手中指を会陰部に当て、手のひらで睾丸をつつむように押さえる。
 
もう一つの推奨される体位は、左側を下にして横たわり、左足をまっすぐ伸ばし、右膝は直角程度に曲げ、尻を上に突き出す格好である。左手は胸の前。右腕を後ろから回し、右手中指で会陰部を押さえ、手のひらでアヌス周辺をつつむ。このまま会陰部を前後にゆっくり刺激すると、同時にアヌス周辺が手のひらで[[愛撫]]されることになり、快感が増す。
 
====刺激法====
自分でする場合もパートナーにマッサージしてもらう場合も、まず胸、腹部、太腿、下腹部、そしてペニス等を十分愛撫することで性的興奮を十分に高める。アヌスの外側に軽く指を触れて愛撫を繰り返すのも良い。アヌスは非常に強い性感帯なので、さらに性的興奮が高まる。
 
十分に性的興奮が高まったら会陰部に触れる。パートナーがいる場合は口付けをしてもらうのも良い。ゆっくりと会陰部に沿って上下に指を動かす。この時、指は会陰部の皮膚に密着したままで皮膚ごと動く程度の強さが基本である。この時点で声を上げたり、ペニスが少し勃起することがあるが、構わずに続ける。ペニスが勃起すると、ペニスの根元から続く会陰部も硬くなるので、その部分をゆっくりと刺激する。またその先のアヌスの手前の窪みを軽く押さえるのも快感をもたらす。快感を得られる場所は人によって異なるので、自分の感覚に集中して快感を得られるところを押さえる。
 
ドライオーガズムは突然来る場合が多い。太腿を思わず閉じてしまい、硬直した太腿で右腕を挟むことになるが、自由な指先でさらに会陰部刺激を続けると、何度も何度もドライオーガズムに達することができる。
 
=== エナジー・オーガズム ===
[[タントラ教|タントラ]]の秘法の一種であり、局部に全く触れずにオーガズムに至る方法である。
 
前立腺を介さないので男性でも女性でもオーガズムに達することができる。上記二つの方法もそうだが、エナジー・オーガズムの場合は特に環境・雰囲気が重要である。一人で行う場合は、十分なプライバシーを保てる場所、そして多くの場合[[オーガズム]]に至った時に大きな叫び声が出るので、周囲に声が漏れないことが大事である。
 
入浴或いはシャワーを浴びて十分リラックスした後、全裸或いは薄いガウン程度を纏って絨毯や畳の上に正座し、大きく数回、深呼吸をする。この時、呼吸はできるだけエロチックに行う。鼻から吸って口からハアーと出す時の声を色っぽくする。気持ちがリラックスしたら仰向けに横たわる。[[オーガズム]]に達する時に両手で掴むための固定されたものが頭上にあるとうまく行きやすい。ソファーの脚などが最適である。
 
両脚を肩幅程度に広げ、膝を90度ほどに曲げる。ガウンを纏っている場合はここでガウンの前を少しはだけて、太腿を露にする。両手は頭の上で枕などを掴んでいるとやりやすい(枕は頭を載せるのではなく、手で掴むために用いる)。鼻から息をゆっくりと吸いながら、背中が少し浮く程度に弓なりにそらす。この時、自然に両脚はさらに開く。一杯まで息を吸ったらそのまま息を止めずにゆっくりと今度は口から息を吐く。この時、唇を少し丸めてロウソクの火を消すつもりで息を吐く。息を吐くときに同時に[[骨盤底筋]](PC筋)を思いっきり締める。
 
骨盤底筋を締めるのは排尿を途中で止める要領である。最初はどうしてもアヌスも締めてしまうが、それでも構わない。徐々に、アヌスを締めずに骨盤底筋だけを締めるコツを習得することができるが、そうなるとより早くオーガズムに達することができる。
 
話が少し逸れたが、鼻から吸うときには背中を反らし、口から吐くときには思いっきり骨盤底筋を締める。これをゆっくりと途切れなく続ける。両膝の間にクッション等を挟むと骨盤底筋を締める感覚が掴みやすい。
 
この動作に慣れてきたら、息を吐くときはできるだけエロチックに、また吸うときにはあたかも局部から空気が体に侵入してくることを想像する。しばらく続けると息を吐くときには声を上げたくなるので、遠慮なく思いっきりエロチックな声を上げること。そのうちに、吐くときにも吸う時にも声が出てしまうようになり、ガウンの前は大きくはだけて胸から局部にかけて何もかもが晒されてしまう。両手はソファーの足か何かを必死で押さえていて、息を吸うときには両脚は極限まで開き、閉じる時には悲鳴が上がってしまう。呼吸は浅く早くなろうとするが、ぐっと我慢してゆっくりとしたペースを続ける。
 
息を吸うときにはアヌスから(女性の場合は)膣さらにその周囲の局部全体を同時に犯されるような感じがして悲鳴が上がる。そして次に息を吐きながら骨盤底筋を締め付けるとさらに強い快感が襲う。ここまで来たらオーガズムは間近である。悲鳴を上げ続けながら気力を振り絞って深呼吸を続けると、腰から下半身が痙攣し、咆哮を上げたり泣き出したりして絶頂に達する。それでも呼吸を続けると[[オーガズム]]がずっと続き、時には狂乱状態で泣きわめいてしまうこともある。体力が続いて呼吸を止めない限り[[オーガズム]]が続き、そして体力が尽きて呼吸と骨盤底筋の締め付けをやめると静かに[[オーガズム]]は収まりとても幸せな気分になる。
 
このエナジー・オルガズムは、会陰部刺激のところで述べた横向き体位でもできる。その時は、よりアヌスの方を犯される感じがする。
 
== 参考文献 ==