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『'''聖エルザクルセイダーズ'''』('''せんとえるざくるせいだーず''')は、[[松枝蔵人]](まつがえ くろうど)による[[ライトノベル]]作品。[[挿絵]]担当はBLACK POINT(現・[[伊東岳彦]]{いとう たけひこ})。[[1988年]]に[[角川スニーカー文庫]]より全4巻で[[出版]]された(ただし、発売当初の名義は単なる[[角川文庫]]である)。
 
元々は[[ゲーム]][[情報]][[月刊誌]][[コンプティーク]]に連載されていた作品で、毎回[[物語]]の中で読者に向かって推理[[クイズ]]を出し、次の回にその解答を載せるという構成が人気を博した。基本は主人公たち女子高生が活躍する[[学園小説|学園もの]]で、各パート毎に[[#聖エルザ クルセイダーズ|主要5人]]の独白+[[カメラ]]・アイからの視点で描かれる形式になっており、[[ミステリー]]の要素も強い作品だった。
 
また、[[ラジオドラマ|カセットブックやCDドラマ]]などのメディア展開もされていた。
 
== 作品一覧 ==
=== 小説(全て角川スニーカー文庫) ===
*聖エルザクルセイダーズ 集結! ISBN 4044603014
*聖エルザクルセイダーズ2 激動! ISBN 4044603022
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== あらすじ ==
[[テロリズム|テロ]]により両親を失った[[帰国子女]]・'''織倉美保'''('''ミホ''')は両親の遺した[[手紙]]による[[遺言]]どおり、日本最古の[[キリスト教主義学校|ミッション系学園]]の一つ「聖エルザ学園」の高等部に[[進学]]する。そこはミホの母の母校。そして彼女の両親が生前は[[入学試験|受験]]・[[入学]]を反対しながらも、[[遺書]]の中で「私たちに何かがあった時には、あなたをあたたかく迎えてくれる人たちがいる」と名指しした「約束の場所」だった。
 
しかし、そこでミホは[[同級生]]・'''滝沢礼子'''の[[行方不明]][[事件]]という、とんでもないトラブルに巻き込まれてしまう。その中でミホは母が生前に[[お守り]]として渡してくれた家伝の'''五角形の[[ネックレス|ペンダント]]'''と同じ物を持つ生徒たちに出会った。そのメンバーは''''''こと前学園長の孫娘、'''白雪和子''''''オトシマエ'''こと[[空手道|空手]][[クラブ活動|部]][[主将]]、'''乙島恵利''''''チクリン'''こと[[チアリーダー]]同好会のおしゃべり娘、'''小栗まなみ'''の3人だった。
 
ミホは彼女たちから、現在この学園の置かれている危機的状況を聞かされる。それは、何者かが学園の[[利権]]を簒奪し、私物化しようとしているという恐ろしい企みだった。そしてペンダントを持つ者たちは、それに抗って聖エルザ学園の正統を守るべく戦う使命を持つのだと。そしてミホはペンダントの所持者こそ、自分を迎えてくれる人たちなのだと知る。滝沢礼子もその一人だったのだ。
 
滝沢を探すミホたちだったが、そんな彼女たちに軽薄な男が近づく。自らを'''宇奈月京平'''<!-- 、通称を'''コックリさん''' -->と名乗る彼は、いかにも怪しく立ち振る舞う。しかし、ミホがピンチに陥ったときに助けてくれたのは彼だった。そして彼は驚くべき事を打ち明ける。滝沢の持つペンダントは実は彼のもので、滝沢が彼から盗み取ったのだと。宇奈月こそ、本当の仲間だったのだ。
 
滝沢はある理由から、激しく聖エルザとその[[理事]]職にある白雪家を憎んでいた。そして、その[[報復|復讐]]のためにペンダントを欲し、姫たちに近づいたのだ。それは他ならぬ、学園始祖たちによって学園内部に隠された「えるざの財宝」を自らのものとするためでもあったのだ。
 
一方、学園の私物化を狙う大いなる敵、「''''''」の狙いは「えるざの財宝」もさることながら「聖エルザ学園」そのもの。[[進学校#進学重点校|進学校]]としても知られる聖エルザ学園の[[在籍者 (学習者)|学生]]を、自らに服従するよう学校教育を通して[[洗脳]]し、社会に出て立場や力を得た際に己が手足となるように仕向ける─それが敵の、聖エルザを欲する理由であった。その正体こそ'''姉小路征司郎'''。代々、聖エルザとその財宝を欲し、先代にてついに学園理事の末席に名を連ねながらもそれを果たせぬ姉小路家の末裔だった。
 
そして、ついに学園の覇権を巡る争いは動き出し、激化する。他ならぬ学園の始祖「聖えるざ」と、その血脈。全ての謎をはらんで膨れ上がる事態に対し、ミホたちは'''聖エルザクルセイダーズ'''として、学園生徒たちの[[自由]]と博愛のため、学園の[[未来]]を取り戻すために戦うのである。
 
== 登場人物 ==
キャストはカセットブックのものです。声優名の無いキャラクターは最初から未設定もしくは不明のもの
=== 聖エルザ クルセイダーズ ===
; '''織倉美保'''(おりくら みほ) / '''ミホ''' [[声優|声]]:[[山本百合子]]
: 聖エルザ学園の高等部に入学した一年生。非常におとなしく[[人見知り|内気]]で優しい性格。両親を若くして亡くした薄幸の少女。しかし、一度こうと決めたら引かない意志と芯の強さを持っており、いざというときには皆の心の支えとして、その包容力を発揮する。仲間との出会いにより多くの成長を続け、物語の最後には大いなる敵と対決するための重要な鍵の役割を持つまでになる。
; '''白雪和子'''(しらゆき かずこ) / ''''''(ひめ) 声:[[鶴ひろみ]]
: 聖エルザ学園高等部三年生。代々、学園理事長職を務める「白雪家」の直系で、前理事長の孫。両親は前理事長である祖父と折り合いが悪く、海外で暮らしている。どこまでも冷静で、いざというときにも的確な判断を下せる能力を持っている。祖父から託された「学園を守る」使命を果たすべく、まだ見ぬ大いなる敵と戦う準備を続けていた。
; '''乙島恵利'''(おとしま えり) / '''オトシマエ''':[[山田栄子]]
: 聖エルザ学園高等部二年生。空手部の主将。ガサツな母親に「将来は我が母校、聖エルザのお役に立つように」と[[格闘技|格闘術]]を仕込まれて育ったため、非常に気風の良い「男前」の性格である。しかし、その反動からか[[趣味#楽しみとしての趣味|趣味]]は[[編み物]]と「少女らしさ」に強い憧れを抱く一面も持つ。ちなみに家は[[深川 (江東区)|深川]]の[[佃煮]]屋。正真正銘、[[江戸っ子]]の家系というが……。
; '''小栗まなみ'''(おぐり まなみ) / '''チクリン''':[[三田ゆう子]]
: 聖エルザ学園高等部二年生。とかく[[好奇心]]旺盛で[[噂]]話好きな、はっちゃけカシマシ娘。おしゃべりであらゆることをふれ回るために「チクリン」と呼ばれる。とはいえ、情報収集・[[参謀]]的能力に長けており、またその場その場における戦闘においてもピカ一の勘の冴えを見せる。家は長崎の[[料亭]]。彼女もまた母親の言いつけではるばる上京し、聖エルザに入学した。小説4巻では主人公。
; '''宇奈月京平'''(うなづき きょうへい) / '''コックリ''':[[塩屋翼]]
: 聖エルザ学園高等部三年次[[編入学|編入]]生。クルセイダーズ唯一の男子。敵の[[根回し]]によって[[男女別学|女子校]]であった聖エルザが[[男女共学|共学]]となった事を逆手にとり、やはり聖エルザを母校とする姉よりペンダントを託されて「仲間の助けとなるように」と学園に送り込まれた最後のクルセイダーズ。家は個人[[医院]]で父親が格闘オタクであったため、あらゆる格闘に造詣が深く、幼い頃より鍛えられてきた。性格は非常に好色でおちゃらけ屋。しかし頭の回りはピカ一でイザというときは男の子らしい頼りがい<!-- のよさ -->を見せる。
 
=== 姉小路一派 ===
; '''姉小路征司郎'''(あねこうじ せいしろう) / ''''''(わか) 声:[[古川登志夫]]
: 聖エルザ学園高等部三年次編入生。聖エルザの実権と「えるざの財宝」を狙う姉小路家の嫡男であり「大いなる敵」の首領。一族の悲願を果たし自らの野望を達成するため、聖エルザを共学校にして乗り込んできた。怜悧で美しい容貌を持ち、冷徹で冷酷。双極拳と呼ばれる拳法の「陽の座」を務める強さも持つ、最強の男。
; '''森崎教頭'''(もりさききょうとう) 声:[[青野武]]
: 聖エルザ学園高等部[[教頭]]。姉小路家の引き立てで教頭になったため、若に忠実である。トコトンまでヒクツな性格でいわゆる「長いものには巻かれろ」タイプである。CDドラマでは卑屈さや小悪人ぶりは踏襲しつつも声優のアドリブが多発しており、何とも味と深みのある中年に変貌した。原作では押され気味だったはずのミス・ランドルフと楽しそうに掛け合いまでしてみせている。
; '''ミス・ランドルフ''':[[藤田淑子]]
: 聖エルザ学園高等部英語教師。学園女子[[学生寮|寮]][[管理者|舎監]]。[[生活指導]]教諭。問答無用の[[サディズム|サディスト]]。しかし姉小路には忠誠を誓い、畏れを抱いているようである。
; '''式場真弓'''(しきば まゆみ) / '''ゴッデス''':[[小山茉美]]
: 姉小路に忠誠を誓う[[工作員]]。姉小路の野望の手始めに編入試験の受験者(登場当時。チクリンとオトシマエの同学年にあたる)として聖エルザに送り込まれた尖兵。彼女が関わる策謀は必ず成功するとの謂れから「ゴッデス([[女神]])」の異名をとる。しかし、<!-- ミホ入学以前の聖エルザにて -->チクリンたちの活躍により策謀は失敗。山奥で隠棲生活を送るが……。小説では4巻のみに登場。
 
===その他===
; '''滝沢礼子'''(たきざわ れいこ)
: 聖エルザ学園高等部一年生。白雪家に復讐し「えるざの財宝」を我が物とするために聖エルザに入学した少女。その出自には数多くの謎がつきまとい、それこそが彼女を白雪家へ憎悪を向ける事に駆り立てている。母との絆と思い出を大事にし、それを守らんと願う少女でもある。そういう意味ではミホと表裏を成す存在と言える。
; '''水谷薫'''(みずたに かおる)
: 聖エルザ学園高等部三年次編入生。高一の頃、全日本男子[[柔道]][[選手権]]で優勝確実と言われながら、金を積まれた[[八百長]]で相手に勝ちを譲るという過去を持つ。同様に金を積まれて姉小路一派に雇われ聖エルザにやってきたが、途中より離反。以後、滝沢に力を貸すことになる。
; '''レオポルド教授''':[[大竹宏]]
: 聖エルザ学園美術教師。[[ロリータ・コンプレックス|ロリコン]]の趣味があり、女生徒の弱みを握っては[[ヌードモデル|ヌードスケッチのモデル]]になる事を強制するという問題教師。