「質問主意書」の版間の差分

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経済準学士 (会話 | 投稿記録)
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また、国会議員が単なるデータ調査の目的でいちいち質問主意書を提出し、行政機関の処理能力をはるかに上回る作業を強いることにより、行政の停滞や国民へのサービスの低下を招く、との指摘もある。さらには、配偶者の著述活動や[[弁護士]]業務に用いる資料を収集するためと思しき質問主意書が提出されるなど、国会議員の権利濫用が疑われるケースもある。そのため、7日以内に回答しなければいけないという規定を逆利用し、行政側が回答を拒否したケースもある。
 
民主党の長妻衆議院議員が2003年6月6日に提出した「国の施設に入るテナントの選定及び適正使用料等に関する質問主意書」の場合、国の施設に入るテナントを省庁等別、店舗別に、1.店舗名、2.店舗を運営する法人等名、3.国との契約主体名、4.店舗の業種・内容、5.店舗が支払う月額使用料と支払先名、など13項目にわたり調査させた<ref>[http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a156096.htm 国の施設に入るテナントの選定及び適正使用料等に関する質問主意書]</ref>
 
2003年9月30日に回答が受領されたが、ページ数で1525ページ、pdfファイルで129MBという巨大なものであった。しかしながら本回答がその後の立法・政策立案に役立たせたという記録はない。
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=== 諸外国との比較 ===
ただし、諸外国との比較でみると、日本の質問制度はあまり活用されているとはいえない<ref name = "ooishi2001">[[大石眞]]2001『議会法』有斐閣アルマ</ref>。イギリス議会で1年間に5万件以上、フランス議会でも計1万5000件以上の、文書による質問が行われ<ref name = "ooishi2001"/>、政府統制の手段として有効活用されているのに対し、日本の衆参両議院では合計しても千件以下である。これについては制度の違いも大きく、例としてイギリスにおいては新たな作業や調査に一定以上のコストがかかる質問については、政府側は回答を拒否することもできる<ref name = "kihara2002">木原誠二2002『英国大蔵省から見た日本』文藝春秋</ref>。また回答期日を指定しない質問が大多数で、指定するものであっても回答期日が7日以内という急なものではない(例えば国会審議での口頭の質問でさえ、実質的には10営業日以前に通告することが求められる)。さらに閣議決定のような大規模な手続きも必要なく、政府に過剰な負担がかからないような制度設計をしたうえで、大量の質問を受け付け処理している。
 
;参考先例