「専制公」の版間の差分

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==訳語について==
日本語訳では「'''専制侯'''」とする場合もある。「専制」という言葉が訳語に使われた背景にはもともと「デスポテース」(δεσπότης)が[[ローマ帝国|ローマ]]後期帝政に於ける[[皇帝]]称号([[ラテン語]])の一つ「[[ドミナートゥス|ドミヌス]]」(dominus)の[[ギリシア語]]訳として用いられた事を背景としている(「ドミヌス」をいただく体制「ドミナートゥス」の訳語は「専制君主制」)。上記の通りその後の東ローマ時代に於いても「デスポテース」はいわば「専制君主」という意味合いの言葉として皇帝称号の一つであり続けたが、[[1163年]]以降に爵位となった為、「専制」という語源上の意味を示す訳語に高位爵位を示す「公」ないし「侯」を付して「専制公」「専制侯」という訳語が作り出された。[[アレクシオス1世コムネノス]]時代に同じように皇帝称号を流用して創設された「セバストクラトール(セヴァストクラトル)」(σεβαστοκράτωρ)についても、「尊厳者」を示す[[アウグストゥス (称号)|アウグストゥス]](Augustus)のギリシア語訳セバストス(セヴァストス, σεβαστός)と「最高司令官」を示す「[[インペラトル]]」(imperator)のギリシア語訳アウトクラトール(アフトクラトル, αυτοκράτωρ)を合成させた augustimperator = σεβαστοκράτωρ の訳語として、「尊厳者」に「公」を付して作り出された訳語である。ただこれらの訳語は必ずしも日本ビザンツ学界に於ける爵位の訳語として定着している訳ではなく、便宜上のものである。