「イナウ」の版間の差分

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== 作り方 ==
イナウの材料は自然木である。材料となる木をイナウネニとよび、通常はスス([[ヤナギ]])が使われたが、ウトゥカンニ([[ミズキ]])やシケレペニ([[キハダ (植物)|キハダ]])で作られたもの特に好ま上等品とさていた。木肌が白いヤナギミズキのイナウは天界で銀に、木肌が黄色いミズハダのイナウは金に変ると信じられていたからである。イナウ作りはアイヌの男の大切な仕事のひとつとされ、重要な祭礼などを控えた日には祭礼の行われる場所に泊りがけで集い、イナウを作成したという。とくに[[イヨマンテ]](クマ送り)や[[チセノミ]](新築祝い)などの祭礼が行われるときは大量のイナウが必要となるため、かなりの時間がイナウ削りに費やされた。
 
イナウをつくるには、直径が3cmほどの素性が良い[[ヤナギ]]や[[ミズキ]]の枝を採集し、大体70cmほどの長さに切る。そしてきれいに皮を剥ぎ、木肌をあらわにして乾燥させる。乾燥させるのは、木肌を薄く削る作業を容易にするためである。充分に原料の枝が乾燥したら、先に木片を刺した小刀を使い、木の端の方向に薄く削る。削る作業の繰り返しで、あたかも枝の先に木片の房が下がる形にするのである(完成)。イナウの種類によって造り方も異なるが、乾燥させた素材を小刀で削り、木片を下げさせる工程は変わりがない。
 
ちなみに、イナウを削った際に余った部分は、[[ユーカラ]]を語る際に炉縁を打って拍子を取る棒「レプニ」として使われる。
 
== 種類 ==