「ユナイテッド航空629便爆破事件」の版間の差分

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{{Infobox Airliner incident
|name=ユナイテッド航空 629便
|Date=[[1955年]][[11月1日]]
|Type=保険金目当ての航空テロ
|Site=[[アメリカ合衆国]]・[[コロラド州]]ロングモント近郊
|Fatalities=44
|Injuries=0
|Aircraft Type=[[マクドネルダグラス]]・[[DC-6|DC-6B]]
|Operator=[[ユナイテッド航空]](UA)
|Tail Number=N37559
|Passengers=39
|Crew=5
|Survivors=0
}}
[[File:6609-UAL-DC-6-NorthRampStapletonDEN.jpg|thumb|300px|right|ユナイテッド航空のダグラスDC-6型機(同型機)]]
'''ユナイテッド航空629便爆破事件'''(ユナイテッドこうくう629びんばくはじけん、Bombing of United Airlines Flight 629)とは保険金目的で航空機を爆破した事件である。結局犯人は保険金を受け取ることなく逮捕され、[[死刑]]になった。
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== 事件の概要 ==
 
[[1955年]][[11月1日]]、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]大陸を横断する[[ニューヨーク]]発[[シアトル]]行きの[[ユナイテッド航空]]629便([[ダグラス]][[DC-6]]旅客機 登録記号N37559)は、経由地である[[コロラド州]][[デンヴァー]]から[[オレゴン州]][[ポートランド (オレゴン州)|ポートランド]]に向けて離陸した。離陸しておよそ10分後の現地時間の午後7時ごろ、高度5000フィート(1500m)を離陸上昇中に突如空中爆発し、機体は広範囲に四散した。爆発の瞬間を空港の航空管制官が目撃していた。この爆発により乗員乗客44名が犠牲となった。機体は胴体後部が爆発で一瞬にして粉々になり、残された胴体前部と両翼も落下までに飛散し、唯一原型を留めていたのは機体主要部から離れた場所に落下した尾翼付近だけであった。
 
爆発した箇所は胴体後部の第4貨物室であり燃料タンクの位置からはずれており、また機体の残骸からは航空燃料以外の成分が爆発した痕跡や乾電池の破片などが発見された。そのため故意による爆破の疑いが濃厚になった。
 
== 犯人の動機 ==
乗客の身辺を捜査した結果、[[連邦捜査局|FBI]]は母親が乗客として搭乗していたデンヴァー在住の23歳の[[ドライブイン]]経営の男性、ジョン・ギルバート・グレアム([[1932年]][[1月23日]] - [[1957年]][[1月11日]])を逮捕した。これは彼が母親に大きな紙袋を手渡すのを目撃されていたためである。当初は母親にプレゼントした手芸用品だと主張したが、デンヴァー市内で事故前に販売した事実がないことを突きつけると、一転して自白した。

グレアムの自白によれば、母親のデイジー・キング夫人の荷物に[[ダイナマイト]]25本と起爆装置を仕込んだ。取り調べの中でグレアムは自分が爆破装置を作るために2週間電気店でアルバイトをして、必要な電気技術を習得したことなどを供述した。犯行の目的は母親にかけた総額37500ドルの[[生命保険]](空港内の保険自動販売機で購入。1枚25セントの保険証書6枚。皮肉なことに彼女の署名がないため効力がなかった。なお同州では事件を契機に販売禁止になった)と彼女の財産であったと言う
 
航空機爆破と言う手段を選んだのは、事故を装い犯行の露見を避けるためであったが、結局科学捜査により全容が解明された。コロラド州の裁判所は、母親に対する殺人罪のみでグレアムに有罪を宣告し、[[1957年]][[1月11日]]、[[ガス室]]による死刑が執行された。
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== 参考文献 ==
*コリン・エヴァンス著、藤田真利子訳『不完全犯罪ファイル』[[明石書店]]、2000年。 ISBN 978-4750313306
*デビッド・ゲロー著、清水保俊翻訳、 「航空テロ」 [[イカロス出版]] 1997年
 
==関連項目==
*[[航空事故]]
*[[ナショナル航空967便墜落事故]] 1959年に発生した航空事故。機体主要部が海底に沈み、捜査機関が立件できなかったが、唯一成功した保険金詐欺と指摘されている。
 
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