「制御システム」の版間の差分

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==== 制動の弱い炉の例 ====
電気炉の例で、温度の設定値が最大定格電力の50%で安定状態として維持できる温度となっていて、現在、温度がそこに向かって上がっているとする。温度がそれより低い状態では、最大定格電力の100%の電力が適用される。MV が SP と10度差の温度になったら、比例制御が働き始め、電力が低減される。つまり、SP を中心とした20度の範囲が比例帯(proportional band)となっていて、100% から 0% まで線形に変化する。設定値に到達すると50%の電力が適用されるが、加熱システムに蓄積された余熱があるため、炉内温度はさらに上がっていく。SP より10度高い温度になると、比例帯の上限に達し、加熱用電力は供給されなくなる。それでもさらに炉内温度はある程度上がっていくだろう。MV が比例帯に戻ってくると、加熱が再開されるが、今度は加熱システムが冷えすぎているため、再び上昇するまでしばらく温度が下がり続けるだろう。このようにして温度変化が振動するような曲線を描いて変化し続けることになる。
 
==== 制動の強い炉の例 ====
制動の弱い制御システムでの温度の振動は、一般に歓迎されない。電力や燃料の浪費であるし、時間の無駄でもある。また、炉内が一時的に設定よりも高温になってしまうことで炉内の原料が駄目になることもある。
 
制動が強いとどうなるだろうか。SP より30度低い温度まで上がったとき、比例制御が開始され(つまり、比例帯が60度となる)、やはり SP に到達したときの電力が50%であるとする。この場合、目標温度に到達するまで時間がかかるが、大きくそれを越えることはなく、従って炉内が異常に高温となることはない。利得を注意深く増大させる(比例帯の幅を縮小する)ことで、振動もせず、素早く SP に到達する点が見つかる。このような作業を制御システムのチューニングと呼ぶ。よくチューニングされた比例制御は、一般にオン/オフ制御よりも効率的だが、熟練した手作業による制御に比べれば不十分となるだろう。
 
=== PID制御 ===
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