「婉曲法」の版間の差分

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m →‎婉曲法の影響: ウィラード・ヴァン・オーマン・クワイン
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さらに発音もしくは概念として類似する語句までが言い換えられる例が、多数報告されている。例えば[[オーストラリア]]の[[アボリジニー]]の一部では、死者の名前をいうことはタブーとされ、それに響きの似た単語までが言い換えられるので、婉曲語がますますふえることになり、[[語彙]]が入れ替わっていく。
 
婉曲法が普通に用いられているうちに、もとの語句がタブーになり、さらには言い換えまでが悪く取られてさらなる言い換えが必要になることもある。この過程は[[ウィラード・ヴァン・オーマン・クワイン|クワイン]]によって論じられ、最近では[[スティーヴン・ピンカー]]が"euphemism treadmill"と呼んでいる。これは語句の意味が悪い方へ一方的に変化する現象で、経済でいえば[[グレシャムの法則]]に当たる。例えば便所の意味のtoilet room(化粧室、トイレ)はもともと婉曲語だったが、bathroomに置き換えられ、さらにwater closet、またrestroom、W.C.と置き換えられていった。
 
日本語では「敬意逓減の法則」と呼ばれるのがそれに当たる。これは敬語が表現しうる敬意が時代とともに失われることをいう。例えば「貴様」「お前」は元来は敬意を込めた婉曲な二人称だったものが、そうでなくなった。現代では「貴様」は蔑称に近いし、「お前」も目上には用いないのが普通である。