「テングリ」の版間の差分

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[[画像:Mongol 3kaisetsu.png|right|300px|thumb|モンゴルの宇宙三界説]]
'''テングリ'''(匈奴語:'''撐犂'''(とうり)、[[突厥文字|突厥語]]<small>(左←右)</small>:[[画像:Old Turkic letter I.svg|12px]][[画像:Old Turkic letter R2.svg|12px]][[画像:Old Turkic letter NG.svg|12px]][[画像:Old Turkic letter T2.svg|12px]]、回鶻語(古[[ウイグル語]]):Täŋri、現代[[モンゴル語]]:Tenggeri(:Тэнгэрээ(『[[元朝秘史]]』のモンゴル蒙古:騰格里 Tenggeri), 古[[ウイグル語拼音]]]:Täŋri, :Ténggélǐ))、[[トルコ語]]:Tanrı, :Tanrı、[[チャガタイ語]]::تنكري تنكري Tangrī, 漢文:撐犂)Tangrī)とは、アジア北方の[[遊牧民族]]に共通な、「天上世界」もしくは「天上神」、「運命神」、「創造神」を意味する概念。中国史の史料上は「撐犂(とうり)」と音写されしばしば屡々「[[天]]」と訳されている。
 
==定義と特徴==
「テングリ」は中国史における「天」概念と非常に類似しており、天上世界を指すとともに運命神であることも共通している。ただし中国史において天の人格神である[[天帝]][[北極星]]と同一視されているのに対し、テングリは澄みきった青空のことであると考えられており、その点で相違する。「テングリ」崇拝は[[匈奴]]の時代から確認されている。
 
また[[又]]、人格神としての「テングリ」はモンゴルの宇宙[[創造神話]]において「テングリ・ハイラハン」という地上を作った創造神として現れ、これも中国には見られない。[[ブリヤート人|ブリヤート族]]の神話では「西の善きテングリ」「東の悪しきテングリ」という表現が見られ、この二元性はゾロアスター[[祆]]の影響によるものとも考えられている。また又、このことからテングリは必ずしも唯一的な存在ではないことも看取され、これも天とは相違する。テングリは男性神であり、女性神である大地に対応する。
 
今日においては[[カムチャツカ半島]]から[[マルマラ海]]にいたるまで遊牧民の間で[[シャーマニズム]]に基づいてテングリへの祭祀が行われている。
 
==ほかのアジア諸国での影響==
*テングリ崇拝は中国の[[天命]]思想の影響のもとに成立したという見方がる。また又、反対に中国の火の神「重黎(diung li)」をテングリの音写であるとし、中国の「天」はテングリから派生したものだとする見方もある。「天」と「テングリ」のどちらかが古く、起源としてさかのぼれるかはいまのところ明らかではない。
*日本の「[[高天原]]」とテングリを語彙上の結びつきがあるという見方がる。
*ポリネシアのタナガロアもテングリに由来すると考える見方もる。
 
ただ以上の論は十分に検証されておらず、テングリ崇拝自体が多様な神話となって複雑なものであるため、関連性を論じるにはいまだテングリ概念自体の解明が不足している。
 
[[Image:Anticrepuscularpano.jpg|800px|center|thumb|澄み切った青空としてのテングリ]]
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[[bg:Тенгризъм]]
[[de:Tengrismus]]
[[en:TengriismTengri]]
[[hu:Tengrizmus]]
[[ru:Тенгрианство]]