「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」の版間の差分

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『'''機動戦士ガンダム第08MS小隊'''』(きどうせんしガンダム だいぜろはちエムエスしょうたい、'''MOBILE SUIT GUNDAM The 08th MS Team''')は、[[ガンダムシリーズ]]の[[OVA]](オリジナルビデオアニメ)で、[[1996年]]から[[1999年]]にかけて全11話と後日談という形でスペシャルエピソード『ラスト・リゾート』を制作、[[1998年]]には劇場版『[[ミラーズ・リポート]]』も公開された。略称は「'''08小隊'''」。
 
雑誌「[[ガンダムエース]]」[[2007年]]3月号より、第7話以降の監督を務めた[[飯田馬之介]]の執筆により『'''機動戦士ガンダム第08MS小隊 U.C.0079+α'''』のタイトルで[[漫画化]]され連載されるが、細部でOVAとは異なる設定が用いられている。
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== 作品解説 ==
『[[機動戦士ガンダム]]』とほぼ同時期を描いた外伝作品。他のガンダムシリーズと比べて、戦場の生々しさやリアリティを追求した描写が特徴的である。そこに、理想に燃える青年士官 シロー・アマダが主人公として登場することで、戦争の現実とかけ離れた彼の人物像が強烈な印象をもって対比されている。このためシローは劇中、軍務・倫理・色恋のはざまで迷走する<ref>『アニメ批評』([[マイクロマガジン社|マイクロデザイン出版局]])1999年7月号掲載のインタビューにおける監督・飯田馬之介のコメント参照発言より。彼はこの中で主人公シローについて「想像力の欠如した男で、大嫌いだった」「ただのバカですよ」とも語っている。</ref>。そこで主軸となるのは、戦場において敵兵同士が愛し合うという言うなれば戦場版『[[ロミオとジュリエット]]』である。このため、「リアル」なのは兵器のメカニック描写や戦闘のみ<ref>『アニメ批評』1999年7月号掲載のインタビューで監督・飯田馬之介は、「やっぱり『08小隊』はメカ物ですよ」とコメントしている。</ref>であり、作品自体は[[中村雅俊]]の学園青春ドラマの戦場版を想定したとのことである<ref>ホビージャパンムック『08MS小隊戦記』(ホビージャパン・1996)のインタビューで、脚本・シリーズ構成の[[桶谷顕]]が語るところにの発言。</ref>。
 
結末が悲劇だったのかハッピーエンドだったのかについては、ぼかされたまま終わり、それを明らかにするのがエピローグスペシャルエピソード『ラスト・リゾート』である。また、本編終了後には、[[玄田哲章]]のナレーションで一年戦争の出来事を紹介する『'''宇宙世紀余話'''』というミニストーリーが挿入されている。ナレーションは[[玄田哲章]]
 
サブキャラクターには『[[機動戦士ガンダム]]』で[[ジオン公国]]軍の人物の声を担当していたベテラン声優が多くキャスティングされている。
 
キャラクターデザインは、『[[機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY|機動戦士ガンダム0083]]』と同じく[[川元利浩]]が担当したが、『0083』とは画風が変わっている<ref>漫画家[[江川達也]]の描くキャラクターを思わせるものになっている。川元が同時期にキャラクターデザインと作画監督を手がけていた、江川原作のアニメ『[[GOLDEN BOY]]』からの影響と目される{{要出典}}。</ref>。
 
本作は本来'''全12話完結'''の構想であり、監督は当初『[[銀河漂流バイファム]]』など手がけた[[神田武幸]]であったが、製作途中に体調を崩し、第7話から飯田馬之介にバトンタッチする。ストーリーそのものは元々、神田が考えていた筋書きに沿っているが、[[1996年]][[7月27日]]に神田が急逝したために、飯田ら残されたスタッフは生前神田が書き残していたメモやプロットを元に第11話までを完成させ、第12話ではなく特別編と言う形で『ラスト・リゾート』が製作された。本作がやや特殊な形態を取り、また第7話の発売まで1年近く開いているのはこうした事情による<ref>5,1ch化&ハイビジョンニューテレシネによるHDリマスター版のDVDBOX「機動戦士ガンダム第08MS小隊 5,1ch DVDーBOX」の、音声特典の[[檜山修之]]、[[井上喜久子]]、[[速水奨]]による「第11話 震える山(後編)」のオーディオコメンタリーの中で、檜山が「収録に3年半くらいかかった」と語っている。</ref>。本作は神田監督の遺作となった。
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{{Main|宇宙世紀の登場機動兵器一覧#機動戦士ガンダム第08MS小隊}}
 
[[一年戦争]]において連邦軍が勢いを伸ばし始めた頃が舞台であり、登場する兵器もMS([[モビルスーツ]])だけに偏らず、TVシリーズ『[[機動戦士ガンダム]]』に登場した一見奇抜な兵器をもリメイクさせて登場させている。
 
MSがあくまで一兵器として扱われるのは、ガンダムシリーズ全体を通して言える特徴であるが、本作ではその傾向がことさら強い。特に、主人公の乗機は大抵強力な特別機なのが通例なところを、本作では量産機や改造機を主人公が駆っている。それ以外のメカ描写も細部まで技術考証が徹底された。
 
一方で、TVシリーズでは後半(29、30話)に初登場する[[ジム (ガンダムシリーズ)|ジム]]が、10話前後に相当する時期に宇宙で配備されていたり、東南アジアに連邦軍の先行量産型MS大隊がすでに存在していたりと、従来の設定を無視して連邦軍のMS配備を大幅に前倒しした作品となった。「映像化されたものが公式設定」というのがサンライズの方針であるが、この件の理屈付けには制作側もやや難儀した<ref>ホビージャパンムック『08MS小隊戦記』(ホビージャパン・1996)のインタビュー参照。にて矛盾ではないのか?という問いに、脚本・シリーズ構成の桶谷顕が答えている</ref>。結局、陸上のRX-79[G]、RGM-79[G]に関しては非常に限られた機体とその部品がごく一部の部隊に配備されたのみ、宇宙用のRGM-79E<ref>この機体が、なぜ終戦直前から戦後に生産されたRGM-79Cジム改と同じ姿をしているのかについては、未だにはっきりとした説明がない。</ref>はたまたまジャブロー以外、宇宙のどこかにも工場があってそこで造られた機体が偵察部隊的に使われたもので、ファーストの画面にはたまたま登場しなかった、と説明された<ref>この説明を考案したのは[[サンライズ (アニメ制作会社)|サンライズ]]の[[井上幸一]]であると、同じサンライズの河口佳高が語っている。</ref>。ただ、設定の確定に時間を要したために、主人公メカであるRX-79[G]の愛称は各種メディア上で二転三転している。詳しくは[[陸戦型ガンダム]]を参照のこと。
また、陸戦型ジム・コマンドの型式番号であるRGM-79[G]は79Gに対し陸戦型ジム・コマンドの型式番号がRGM-79'''['''G''']'''あるため、混同しやすい。
 
== スタッフ ==
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『'''機動戦士ガンダム第08MS小隊 U.C.0079+α'''』(きどうせんしガンダム だいぜろはちエムエスしょうたい うちゅうせいきダブルオーセブンティーナイン プラスアルファ)は、後半の監督を手がけた飯田馬之介によって執筆された漫画作品。流れはほぼ原作と同じだが、以前にガンダムエースで連載されていた『[[機動戦士ガンダム 宇宙のイシュタム]]』の続編という形でストーリーが展開する為、エピソードや登場キャラクターが多少追加される等、原作から若干変更がされている。
 
なお、飯田のブログでは2008年の4月に連載打ち切りが決まったとの告知が為されている<ref>「''本誌人気投票では常時5位以内に入っているのだが単行本の売り上げが悪いため打ち切り決定''」「''2巻かかって6話までしか進んでいないマンガをあと6回で終わらせねばならぬ''」<br>[http://ameblo.jp/umanosuke-iida/entry-10091991716.html UMANOSUKEのブログ_2008-04-28]</ref>。2009年1月号で連載は終了したが、急遽打ち切りのため末期のストーリーは消化不良の観が否めない展開となっている。
 
===小説===